慢性関節リウマチ
リウマチは「お年寄りの病気」と誤解している方が多いようですが、実際には20〜40代の女性に多く、
複数の関節に痛みや変形が起こります。治りにくい病気ですが、進行を止められるようになってきました。
リウマチとは・・・
手や足の指関節のこわばりに始まり、痛みや腫れが伴う関節炎が、肘や膝、肩などの関節に広がります。
やがて、関節の軟骨や骨が破壊されて関節の機能障害を起こします。
慢性関節リウマチは、関節の痛みと変形を特徴とする全身性の病気で、場合によっては内臓や目、皮膚などにも
異常がでる完治の難しい病気です。
男性1人に対して女性3〜5人の割合で、圧倒的に女性に多い病気です。
治療法は大幅に進歩し、早めに治療を始めれば、リウマチの進行をかなりくい止めることが出来ます。
原因としては、遺伝的要素・ウイルスなどの感染・女性ホルモンの関与・免疫システムの異常などが上げられていますが
完全には、解明されていません。
よく似た症状で、変形性関節症がありますが、リウマチは全身症状が現れます。(倦怠感・食欲不振・貧血など)
変形性関節症には、全身症状はありません。
症状と経過
ごく初期には特徴のある自覚症状はなく、だるさ・疲れやすいなどの全身症状がでます。やがて朝、手足の関節がこわばり
関節が何となく痛いなどの関節症状が現れる様になってきます。
[朝のこわばり]最初に自覚するのは、朝起きた時の手の関節がこわばった様な感んじで、ほとんどの慢性関節リウマチに
みられる症状です。手の指先から2番目にあたる関節・指のつけ根の関節・手首の関節が侵されやすいのも特徴です。
こわばり感は、朝起きた時に最も強く現れ、動き始めると軽くなります。多くは30分以上続き、午前中、また一日続くこともあり、
どれくらい続くかが病気の程度を測るバロメーターともなります。
[痛みと腫れ]関節の痛みと腫れは、必ず起こります。関節痛には、関節の炎症によるものと、骨の破壊によるものとがあり
関節炎はじっとしていても、重くうずくような痛みがあります。骨の破壊の場合は、動かしたり、関節に重みをかけると痛みます。
関節炎に侵される関節が、左右対称というのも特徴です。右の膝に症状がでれば、いずれ左の膝も侵されます。
関節の症状は、一定の部分にとどまらず、複数の関節に広がっていきます。
最も侵されやすいのが、手指や手首の関節、次に足の指、さらに足首、膝、肩、肘、股関節などですが、首の骨やあごの
関節などの可能性のあります。
[関節の変形]関節の炎症が続くと、痛みのために筋肉が緊張して関節が動かしにくくなります。
徐々に関節の軟骨や骨、腱も侵されて可動範囲が狭くなり、関節の破壊が進むと、関節が曲ったままの拘縮状態や脱臼、
関節の変形が起こります。
慢性関節リウマチは、悪化すると関節の破壊による機能障害によって、行動の自由が奪われるところに
大きな問題点があります。
全身症状
慢性関節リウマチは全身性の病気で、関節以外にも症状が起こります。
特に心臓・肺などの病変は、リウマチの悪化とともに重くなり、命にかかわる場合もあります。
[リウマトイド結節]肘や膝、指の関節の周辺など、刺激の受けやすい皮膚の下に出来る米粒からそら豆大の硬いしこりで、
患者全体の25〜30%に現れる症状です。
外からの圧迫を受けやすい後頭部やおしりにも、出来る場合があります。進行が激しいリウマチに現れることが多く
痛みはないので見逃しやすい症状ですが、注意が必要です。
[全身症状]疲れやだるさを感じるため、すぐに休みたくなり、食欲も減退して元気がなく、血色も悪くなります。
体重が減ったり、貧血状態になったり、微熱が続くこともあります。
[内臓病変]心臓や肺などの内臓にも症状が出てきます。心臓を包む心膜に炎症が起きる心膜炎のほか、
肺を包む胸膜に炎症が起きる胸膜炎、肺の組織が硬くなったり萎縮したりする肺繊維症などがよく起こる合併症です。
[目の病変]目の病気を併発することもあります。涙の分泌が低下して起こる
乾燥性角結膜炎は、頻度の高い合併症です。
[神経病変]主に感覚や運動神経などに関する末梢神経障害が、左右対称に現れることがあります。
[血管炎]爪のまわりや指先の皮膚に小さな皮下出血を起こしたり、皮膚の表面が盛り上がってみえるような紫色の
斑点が出来るのは、リウマチによる血管炎の症状です。
経過は好転と悪化の繰り返しが多い
慢性関節リウマチは進行のタイプによって、一般に三つの型に分けられます。
単周期型は、1〜2年間の関節炎症状だけで、初期の症状は激しくても後遺症もなく治ります。
進行型は、軽く始まってもいつまでも進行が止まらずに、悪化していきます。
単周期型は、慢性関節リウマチ全体の35%、進行型は15%程度です。
全体のほぼ50%を占め、最も多いのが多周期型です。症状が治まる寛解と、悪化する増悪を1〜2年周期で繰り返し
5年、10年と長い年月をかけて関節の障害が進行していきます。
この他に、悪性関節リウマチとよばれる稀な病変があります。関節症状以外に全身性の動脈炎を起こし、命にかかわる
難病で、厚生省の特定疾患の一つに指定されています。
慢性関節リウマチの診断基準
1、朝起きてから、こわばりが1時間以上続く。
2、3箇所以上の関節炎が同時にある。
3、手、指関節が1箇所以上腫れている。
4、両側の同じ関節に関節炎がある。
5、皮下結節(リウマトイド結節)がみられる。
6、リウマトイド因子(リウマチ反応)が陽性になる。
7、関節のX線写真にリウマチ性の変化がある。
*7項目中、4項目以上に該当し、1〜4は6週間以上持続している場合、慢性関節リウマチと診断されます。
(アメリカリウマチ学会)