高血圧
症状がなくて常に血圧を管理することが大切です。

脳卒中や心臓病を誘発する危険な病気です。

 高血圧は別名「サイレントキラー(静かなる殺人者)」と呼ばれています。
高血圧そのものは死に至るものではなく、症状もほとんどありません。
しかし、血圧の高い状態が続くと脳卒中や心臓病、腎臓病などにかかる確率が高くなります。
脳卒中と心臓病を合わせると、日本人の死因の約32%を占め、ガンよりも多くなります。

高血圧と低血圧、恐いのどっち?

 低血圧より高血圧の方が問題視されるのは、高血圧の状態が長く続くと
色々な合併症を引き起こす危険性があるからです。
 実際に高血圧の人を調べてみると、血圧値が高いほど死亡率も高いことが
わかっています。

■心臓への影響
 血管に血液を送り込むのにより大きな力が必要になるため、心臓に負担がかかり、
やがて心臓の筋肉が肥大していきます。
これが進行すると心臓の機能が低下して、心不全の状態になってしまします。

■血管(動脈)への影響
 血管壁に高い圧力がかかるため、細動脈壁が厚くなり、これが進行して
動脈硬化が起こります。また太い動脈にもコレステロールがたまりやすくなり、
脳出血や脳梗塞など生命をおびやかす障害を起こすことになります。

高血圧で起こる主な病気

■脳血管障害
 血圧が高いと、脳の血管壁も傷つきやすくなります。そこに、血栓(血の塊)や微小動脈瘤ができ、
血管を詰まらせたり、瘤の中の弱い壁が破裂して出血したりします。

 高血圧症になると、脳血管が壊死する脳出血をはじめ、いわゆる脳軟化である
脳梗塞・脳底部の動脈瘤の病気、くも膜下出血などを引き起こしやすくなります。
 脳卒中の側からみると、高血圧は最大の危険因子です。

■心臓病
 末梢血管の抵抗が大きいと、心臓はからだのすみずみまで血液を送り出そうとして、収縮力を
強めます。心臓の負担が増えるため、やがて心筋が肥大してきます。この状態が続いて心臓が
耐えきれなくなると、心不全に陥ります。
 また、心臓に酵素と栄養を送っている冠動脈が動脈硬化のために十分な血流を確保できなくなると、
狭心症や心筋梗塞などの危険な病気を起こしやすくなります。

■腎臓病
 腎臓は大量の血液を受け取っているため、血圧とは深い関係があります。
高血圧は腎臓病を引き起こし、逆に腎臓病は高血圧の原因になります。
 高血圧が長期化すると腎臓の細い動脈が硬化し、十分な血液を受け取れなくなります。
すると、血液のろ過と再吸収、不要物の排泄を行っているネフロン(腎臓の働きを担う組織)が機能を失って、
 腎不全へと進みます。細動脈に血栓が詰まって血流が妨げられても、同様の事が起こります。

■動脈硬化
 血管にコレステロールが沈着し、内腔が狭くなった状態です。
高血圧は血管の老化をすすめ、動脈硬化をもたらします。

血圧とは・・・

 血圧とは、血管内を流れる血液が血管壁を押す圧力のことをいいます。
血液は心臓が縮んだときに送り出され、広がったときに血液が全身をめぐり、
心臓へ戻ってきます。
 心臓が縮んだときの血圧が収縮期血圧(最高血圧)、広がったときの血圧が
拡張期血圧(最低血圧)です。
 通常、高血圧という場合は上腕動脈で測った血圧値を指標にしています。
血圧は年齢と共に徐々に上昇する傾向にあります。

血圧調整の仕組み

 血圧は、血管の太さや弾力性、心臓の収縮力の強さや心拍数、
血液量や血液の粘り気などによって変化します。
血管が収縮する、心臓の収縮が強まり心拍数が増す、血液量が増えるなどの変化は、
すべて血圧を上昇させる原因になります。
 こういった変化に影響を与えるのは、主に神経系や内分泌系(ホルモン)で、
腎臓も大きな役割を担っています。

■神経系
 血圧調節に重要な役割を果たしているのは、自律神経(交感神経と副交感神経)で、
交感神経が血圧を上げる方向に働きます。
  ストレスがかかると、交感神経がノルアドレナインなどの物質を分泌し、血管を収縮させます。
ノルアドレナインにはα作用とβ作用がありますが、特にβ作用は心臓の拍動を速くします。

■内分泌系
 レニンーアンジオテンシン系という内分泌系が血圧調整にもっとも深く関係しています。
腎臓は、血液をろ過して必要な物質を再吸収する一方、不要な水分や塩分を尿として排泄し、
体液のバランスを保っています。
  腎臓に入る血液量が減ると、腎臓はレニンという酵素を分泌し、
アンジオテンシンという強力な昇圧物質(血圧を上げる物質)をつくって血液を増やそうとします。

■腎臓
  腎臓に異常があると、水分や塩分の排泄がうまくいかず、血流量が増えてしまいます。
また、腎臓は多量の血液を受け取らなければならないので、大きさのわりに血管が多く、
血管が収縮した時の影響も大きくなります。

高血圧の基準

 高血圧とは、日を変えて2回以上測定した血圧の平均値が、正常血圧を
上回っている場合をいいますが、一般的に最高血圧が140〜160mmHg
最低血圧が90〜95mmHgを境界域高血圧
最高血圧が160mmHg以上最低血圧が95mmHg以上を高血圧としています。


高血圧症になりやすい人

■遺伝的要素
 高血圧になりやすい体質は遺伝します。
遺伝の影響力は50〜60%といわれています。ご家族に高血圧症の方がいる場合は
注意が必要です。

■肥満
 肥満の人は、正常な体重の人に比べて高血圧になる確立が1,5倍も高いといわれます。
1つには、太っていると多くの血液を心臓から送り出さなければならないので、
慢性的に血管に強い圧力がかかると考えてられています。
 近年は「インスリン抵抗性」も注目されています。
血液中の糖をからだのエネルギー源として利用するには、膵臓から分泌されるインスリンという
ホルモンが必要です。インスリン抵抗性とは、インスリンがうまく作用しなくなることをいい
肥満の人に多くみられます。
 インスリンの作用が鈍いと、量で補おうとして、膵臓は多量のインスリンを分泌します。
増えすぎたインスリンは交感神経を刺激し、血管を収縮させたり、
塩分や水分の排泄を妨げるので、血圧が上昇します。

■食事
 塩分のとりすぎは、血圧を上げます。
からだには、体内の塩分濃度が上がると細胞から水分を引き出して調節し、
余分な血液は腎臓を介して排出する機能が備わっていますが、
高血圧の人はこの機構のどこかが壊れていると考えられています。
 また、脂肪分の多い食事は動脈硬化と肥満を招き、間接的に高血圧の原因となります。

■運動不足
 運動は血液中の昇圧物質を抑え、降圧物質(血圧を下げる物質)を増やします。
運動をしないとこの恩恵が受けられず、結果的に高血圧の原因になるのです。

■アルコール
 一定量(日本酒なら毎日2合)以上のお酒を飲む人は、
そうでない人と比べて高血圧になりやすく、
飲酒量が多ければ多いほど血圧が高くなるというデータがあります。

■喫煙
 喫煙者はそうでない人の2〜3倍も心筋梗塞や脳梗塞になりやすいことがわかっています。
高血圧の治療目的は合併症の予防なので、喫煙は重視されます。

家庭での血圧

 血圧は普通、医師などにより病院や健康診断の場で測定されます。
これを随時血圧といい、高血圧治療の基本的なデータになります。
高血圧の基準も、随時血圧から導かれた数字です。
 しかし、血圧が条件によって変動することは、よく知られています。現在では、随時血圧よりも、
ストレスの少ない状態で測られた家庭血圧の方が信頼度が高いという考え方が普及してきました。
家庭血圧を治療に活かす医師が増えてきたようです。

家庭用血圧計の選び方

 家庭血圧計は、からだのどの部分で測定するかによって、上腕型、手首型、指型の3種類に
分けられますが、お勧めは上腕型です。このタイプは精度もよく、安定した血圧値が得られます。
 長期間にわたって血圧の経過を知ることが家庭血圧を測る目的なので、
負担にならず、一定条件で測れることを重視します。
 まず、測定時刻を決めます。夕食前か就寝前がよく、帰宅が不規則な人は朝の出勤前などを利用します。
家庭血圧は最初、高く出ることがあるので、3回繰り返し測定し、最初の値を除いた平均値をとります。
多少の上下に一喜一憂しないことが大切です。
 血圧値は必ず記録し、次回の診察時に見せるようにします。
自己測定を始める前に、病院の血圧計との誤差を確認しておくといいでしょう。
血圧計も現在色々出ていますが、テルモの血圧計が故障も少なく精度もよいと思います。

一般療法
 食生活の改善や運動の励行が中心になります。

■運動
 無理なく続けられる適度な運動をすることが重要です。
適度な運動は、糖代謝をよくしインスリン抵抗性を改善するといわれています。
高血圧症の方だけでなく、その他の生活習慣病の予防や治療にも役立ちます。
 運動の強さは最大能力の約半分、隣の人と談笑しながらできる「ニコニコペース」がよく、
速歩きが最適です。水泳やサイクリングもよいでしょう。
からだをあなり動かさずに力を込めるウエイトトレーニングや、
短期間に激しく動くテニスなどは向いていません。
 運動は1回30分を毎日か、1回60分を週3回を行うのを目安とし、
効果が現れるまでに2〜6ヶ月かかります。
こうした軽い運動は血圧を下げるものですが、運動した直後に血圧を測ると高い人がいます。
こういう人は、高血圧の遺伝的体質が強いと考えられています。

■食事
  もっとも重要なのは減塩で、1日6〜8g程度にします。
塩分を減らす近道は、塩辛いものをこれまでの半分にすることと、全体を薄味にすることです。
おいしく感じる味付けは習慣的なものなので、薄味になれるようにしましょう。
 また、ナトリウムの排泄を促すカリウムを多く含む野菜や果物(ほうれん草、枝豆、ブロッコリー、かぼちゃ、
バナナなど)、食物繊維の豊富な食品をできるだけ多くとり、コレステロールの多い食品は避けます。
 青魚に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)は、動脈硬化を防ぐ効果があります。

■肥満
 太っている人はまず、摂取エレルギーを制限して減量し、合併症のある人は
それらの食事療法を優先します。

■アルコール
  1日のアルコール量は、ビールなら大瓶1本、ウイスキーでシングル1杯、焼酎と日本酒は1合、
ワインはグラス4杯までが適量です。

■喫煙
 原則として禁煙です。どうしてもできない人は本数を減らします。

降圧剤の種類

 作用のメカニズムが異なるいろいろな降圧剤がありますので、患者さんの病態やライフスタイルに応じた
選択が可能になってきました。
 日本では降圧利尿剤、βー遮断剤、ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬、αー遮断薬の5種類が主流で、
いずれも重い副作用はありませんが、頭痛や立ちくらみなどが現れることがあります。

新しい生活スタイルの確立を・・・
 
 高血圧の治療は、後に起こる合併症を予防するために、血圧を正常に保つ生活習慣をつくり、
それを続けることだと思います。
 高血圧症の改善は必然的に長期戦になるので、病気とうまく付き合い、
生活の質を考えた治療が大切になります。
日常生活を楽しみながら、無理なく治療を続けられるよう工夫することです。
 店頭でも、「病院で降圧剤をもらっているから大丈夫」といわれる方がおられます。
上記でも記載しておりますが、一番大事なのが食生活を中心にした生活習慣です。
最近では特定保健用食品(特保商品)も数多く発売されておりますので、
これらの商品をうまく利用して、食生活・生活習慣の改善に役立てて下さい。
特定保健用食品

新健康習慣

DEAGOSTINI メディファイルより参照
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