アトピー性皮膚炎
大半は成長とともに自然に治りますが、最近では、大人でも
アトピー性皮膚炎になる人が増えています。
| どんな病気ですか? かゆみを伴う発疹 アトピーという言葉は、「不思議な、奇妙な」を意味するギリシャ語のアトピアがもとになっています。 この言葉どおり、残念ながら、いまだに病気の全体像は十分に解明されていません。 ただし、いろいろな治療法や薬は開発されています。 症状は、乳児の場合では、顔面や頭部に赤い発疹(紅斑)や盛り上がった発疹(丘疹)が みられます。幼児になると、紅斑や丘疹が首や腋の下、肘や膝の裏側にできることが多いようです。 乳幼児とも耳たぶが切れることがあります。 幼・小児期になると、発疹のほか皮膚のきめが荒くなってゴワゴワした状態(苔癬化(たいせんか)) になったり、肌が乾燥した状態になることもあります。かゆみを伴うため、ひっかき傷があるのも、 アトピー性皮膚炎の特徴です。 アトピー性皮膚炎が一番多くみられるのは子どもです。特に1〜6歳の乳幼児の10〜30%は、 アトピー性皮膚炎に一度はかかるといわれています。 また、最近は成人のアトピー性皮膚炎患者が増える傾向にあります。 |
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| アトピー性皮膚炎とは? アレルゲンと反応する細胞が多い アトピーとはアレルギーとほぼ同じ意味の言葉ですが、より正確にはアレルギーの中でも、特に遺伝傾向が強く、 片親がアレルギー体質の場合、60〜70%、両親の場合は、90%ほどの確率で遺伝します。 アトピー性皮膚炎とは、生まれつきアレルギーになる素質をもったドライスキン(乾燥肌)の 子どもにみられる、かゆみを伴う湿疹です。 体内に、アレルゲン(アレルギーの原因物質)が入ると、即時(約15分程度)に反応が現れるタイプのものをいいます。 アトピー性皮膚炎は、慢性化しやすく激しいかゆみを伴う湿疹です。 アレルギーとは、ある物質に対して、特に敏感に反応し、皮膚炎や鼻炎、喘息などを発症する状態で、 アレルギーを引き起こす物質をアレルゲンとよびます。 アレルゲンには、ほこり、イエダニ、花粉、カビ、食品、洗剤、建材、繊維などがありますが、原因となるアレルゲンは、 子供一人一人によって違います。 アトピー性皮膚炎の子どもは、通常よりもアレルゲンと結合しやすい免疫グロブリンE(IgE)という たんぱく質が血液中に多く、皮膚の細胞には、免疫グロブリンをつくるもとになる白血球の一つである リンパ球がたくさんみられるのが特徴です。 また、皮膚の一番外側にある角質層に含まれるセラミドという脂質が少ないため、角質層の水分を保持する 能力が低く、皮膚は乾燥しがちです。角質層全体の機能もうまく働かないため、外部の刺激が簡単に 皮膚の中に入りやすいとされます。 そのため、口のまわりに食べ物がついたり、舌なめずりなどをしただけで、かゆい湿疹が生じるとみられます。 また、ストレスによって発症する場合があります。(例えば、幼稚園・保育園に入園してから等) ただし、遺伝によってアトピーの要素をもっていても、発症しないケースもあります。 なお、3歳児健康診断では、約8%の子どもにアトピー性皮膚炎がみられ、30%以上の子どもに かかった経験をもっているという報告があります。 一般的には、生後3〜6ヶ月から多く発症し、乳幼児、小・中学生までみられます。 湿疹は左右対称にみられ、乳幼児では頭や顔に始まり体幹や四股に下がって行き、 幼児では、首筋、肘の内側、膝の裏側に出来ます。 10歳くらいになると、皮膚の抵抗力がついてくるので、90%程はアトピーは治ります。残り10%はそのまま発症しつづけ、 逆に、青年期になってから発症する人もいます。 90%の人が治るといっても、体質改善をしない限りアルルギー体質そのものは、治っていないのでアレルギー性鼻炎や 気管支炎などのアレルギー症状が代わりに現れます。 そこで、かゆみを抑える対処療法とアレルギー体質を改善する、体質改善を平行して行うことがベストです。 |
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年代別の症状の特徴
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原因 ダニや食べ物が問題 アトピー性皮膚炎にかかる人はアトピー体質をもっています。 アトピー体質をもつ人の皮膚に家の中のほこり、ダニ、カビ、花粉、動物の毛、人の垢などがつくと、 からだが過敏に反応(アレルギー反応)し、湿疹ができます。 食べ物がアレルゲンとなっていることも少なくありません。特に腸管がしっかりできていない子どもの場合は、 食べ物に対してアレルギー反応を起こすことがあります。アレルゲンとなる食べ物は、人によって異なります。 卵、牛乳、大豆が3大アレルゲンで、ほかに米、小麦、豚肉などがアレルゲンになることがあります。 こうした体質は、遺伝的なもので、本人や家族に、アトピー性皮膚炎のほかにぜんそく、アレルギー性鼻炎、 アレルギー性結膜炎、じんましんといった病気がみられることが少なくありません。 |
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経過と予後 思春期にはたいてい完治 症状は慢性的に続き、激しいかゆみをともないます。満1歳までの乳児は2ヶ月以上、それ以上の年齢では 6ヶ月以上症状が続く場合、アトピー性皮膚炎と診断されます。 湿疹ははじめ顔や頭にできることが多いのですが、悪化すると次第に手足に広がっていきます。 湿疹の出やすい場所は、腕の外側、背中の上のほう、肩甲骨のあたりです。さらに、首、肘、膝の内側など 汗のたまりやすい場所にも出ます。 その後の経過をみると、乳幼児の大半は成長とともに自然に治り、思春期を迎えるころには、たいてい完治しています。 ただ、最近では、子どものときからのアトピー性皮膚炎を成人期にまで持ち越す人や、いったんよくなってから再発する人、 大人になってからアトピー性皮膚炎になる人が増えてきました。大人の場合は、顔や首が赤くなったり、 褐色の色素沈着を起こしたりします。 |
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アトピー性皮膚炎の診断基準 湿疹の症状や経過から鑑別 乳児の脂漏性湿疹や接触皮膚炎、乳児の乾燥型湿疹など、アトピー性皮膚炎とまぎらわしい皮膚の疾患は たくさんあります。日本皮膚科学会では、湿疹の症状や病変の経過から、次のように、ほかの皮膚病と 鑑別しています。 アトピー性皮膚炎では、湿疹に強いかゆみがあり、特徴のある形や分布を示します。急性では赤い斑や 半球状の丘疹、かさかさしたり、慢性化するとじくじくした湿疹とかさかさした湿疹が同居したり、 新しくできた皮疹と治りかけの皮疹が入り交じります。 湿疹は左右対称にみられ、乳幼児では頭や顔に始まり体幹や四股に下がって行き、 幼児では、首筋、肘の内側、膝の裏側に出来るとされます。さらに湿疹が発生して、乳児では2ヶ月以上、 成人では6ヶ月以上継続するケースを、症状の軽重を問わずアトピー性皮膚炎と診断します。 それ以外は、急性または慢性の湿疹とし、経過を観察して、アトピー性皮膚炎あるいは他の類似した 疾患なのかを診断します。 |
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診断 総合的な判断が必要 湿疹の状態、それが慢性的なものかどうか、遺伝的なアレルギーをもつ家系かどうか、ぜんそくなどの アレルギー性疾患などにかかったことがあるかどうか、などを総合的に考えて、アトピー性皮膚炎を疑います。 次に血液検査を行い、好酸球、IgE(免疫グロブリンE)抗体などを調べます。好酸球は白血球の一種ですが、 患者の多くは、好酸球が増えています。 IgE抗体は、アレルゲンの侵入に対抗してつくられ、アレルゲンと反応して、免疫機構がアレルゲンを排除しやすくする 働きをしています。アトピー性皮膚炎の患者のほとんどは、血液中に含まれるIgE抗体の総量が多くなっています。 ダニ、卵、牛乳といった特定のアレルゲンに対して、IgE抗体がどれだけあるかを調べて、何がアレルゲンと なっているかを判定する方法もあります。 ただし、血液検査は必ずしも症状と一致しないケースがあるので、これだけでは診断できません。 皮膚に少量のアレルゲンを入れてアレルギー反応を起こすかどうか調べるテストもあります。 このときは、まず、腕や背中の皮膚に針で浅い傷をつけ、そこにアレルゲンのエキスをたらす、 プリックテストやスクラッチテストを行います。 疑わしいアレルゲンで、これらのテストではっきりしないものについては、皮膚にアレルゲンエキスを注射する 皮内テストを行います。皮内テストのほうが、効果がよりはっきり現れます。 食物アレルギーの場合は、これらの皮膚テストの結果が必ずしもあてはまりません。 食物アレルギーを調べるには、食物負荷試験を行います。 これは、アレルゲンと疑われる食べ物をいったんすべて食べないようにして、2週間から1ヶ月後、 症状が治まってから、ほんの少量を口にして反応をみるものです。 アレルゲンがはっきりわかるので、子どもの食事療法をすすめる場合には、よくこの試験が行われます。 |
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治療 まず炎症をおさえる もっとも一般的な治療法は、副腎皮質ホルモン薬(ステロイド薬)の外用と、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤の 内服です。ステロイド剤以外に、非ステロイド系の消炎外用薬もあります。 食物アレルギーが明確な場合は、アレルゲンの食物を口にしない除去食療法を行います。 一定期間除去すると、その食物に対して耐性が獲得され、やがて食べても大丈夫になります。 皮膚の汗や汚れを丁寧に落としたりするスキンケアも欠かせません。 こうした一般的な治療法のほかにもたくさんの方法が試みられ、それぞれ成果をあげています。 薄めたアレルゲンを長期間にわたって繰り返し皮下に注射し、抵抗力をつけるのが減感作療法(体質改善療法)です。 アトピー性皮膚炎の背景にストレスがあると考え、心身医学的な治療を行う場合もあります。 ストレスに気づき、リラックス法を身につけると治ることもあります。 日光浴でもアトピー性皮膚炎が軽快するといわれています。これを一歩進めて、人工紫外線照射装置を使い、 人工的に日焼けを起こすことで炎症を抑えるのが光線療法です。また、海水浴により、日光浴と同時に、 海水による洗浄、殺菌効果を期待する海水浴療法も行われています。 エイコサペンタエン酸(EPA)が多く含まれるイワシ、サンマなど青魚を食べるようにすると、アレルギーによる 炎症が抑えられるといわれ、EPA製剤を内服する治療法もあります。 ほかに、腸内のカビを退治する抗真菌剤や整腸剤を内服する治療法や、漢方療法も行われています。 |
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薬による治療 ステロイド剤は炎症のみに少量を使用 アトピー性皮膚炎の治療は、皮膚疾患を抑える薬物療法、ドライスキンに対処するスキンケア、 アレルギーに対する環境整備によるダニ駆除の三つが基本です。 根本的な治療には、スキンケアと体質改善、ダニ駆除による原因除去が必要ですが、皮膚に出ている 湿疹は、放置するとさらに悪化する可能性があります。まず、薬によって皮膚症状を軽くし、その後に、 長い時間がかかるドライスキンの手当てや体質改善を行います。 薬剤は症状として現れる湿疹を軽くする対症療法として使います。炎症を抑える為にはステロイド剤による 外用療法を、湿疹にともなう強いかゆみには抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤による内服療法を行います。 [外用薬] アトピー性皮膚炎の治療では、塗り薬としてステロイド剤を用いますが、この薬に拒絶反応を示す人も 結構います。ステロイドは体内でつくられる副腎皮質ホルモンの一種で副腎皮質ホルモン剤と よばれることから、ホルモン剤の投与は肝臓などの内臓に悪い影響を及ぼすのではないかと 考えられているからです。 ステロイド剤に副作用があることは、広く知られています。副作用としては、紅斑、発疹など アトピー性皮膚炎の症状がかえって悪化したり、皮膚の感染症にかかりやすくなったり、 白内障や緑内障になりやすくなることがあげられます。 私の個人的な感想にもなりますが、これまでの傾向として、病院側もアトピー性皮膚炎とまぎらわしい湿疹との 鑑別をきちんと行わないで診断が下され、安易にステロイド剤を処方し、患者側もステロイド剤に 頼りきって、スキンケアや体質改善、原因除去などを行わずに使われてきたことが 混乱の原因と思います。 しかし、強いかゆみのために皮膚をかきむしり、湿疹をどんどん悪化させるという悪循環を 断ち切る為には、ステロイド剤以上に効果の認められる薬はないとされます。 ステロイド剤は、皮膚に塗って使う外用薬として処方されるのが普通ですが、症状が全身に出て、 きわめて重い状態のとき、まれに短期間、内服薬として使われることもあります。 外用薬の場合は内服薬と違って、からだの内部まで影響を及ぼすことはありません。 皮膚科の専門医の指導のもとで、長期に広い範囲に外用しないよう注意すれば、副作用は ほとんど心配ないといわれます。 ステロイド剤は、乳児では大人より薬の吸収率が高く、また顔や首など皮膚の柔らかい患部は 手のひらや足の裏など角質層が厚い部分より吸収がよいとされることもあり、湿疹のある場所や程度、 年齢によって使い分けるのが普通です。 使用されるステロイド剤は、作用の強さによってウイーク(弱)からストロンゲスト(最強)までの 5段階に分かれています。乳幼児では、効力がウイーク、マイルド、ストロングまでの外用薬で、 ほとんどの炎症は軽くなるとされ、この中から、症状や程度に応じて2種類以上の薬を選択して使います。 また、外用薬にはステロイドを溶かし込む基剤によって、軟膏、クリーム、ローション、スプレー、テープ剤 などがあります。 軟膏は刺激が少なく、どのような病変でも使われますが、少しべとつくのが難点です。 クリームはやや刺激性があり、浸潤した病変には向きません。 ローションは頭部の湿疹に主に使われます。 皮膚に貼るテープ剤は密封することにより、薬剤の皮膚からの吸収が増すので、手足の亀裂性の 病変に適しています。乳幼児によく使われるのは刺激が少ない軟膏やクリームです。 軟膏が一般的ですが、夏は軟膏のベースになっているワセリンの脂分がべとつくので、クリームのほうが 使いやすいとされています。 医師や薬剤師には、朝、忙しくて薬を塗る時間がないとか日中は保育園で過ごすなどの生活の状況や、 神経質でよく泣くので薬が落ちやすいといった、子どもの性格を話しておくと、治療に取り組みやすい 薬を考慮してもらえるでしょう。 軟膏やクリームは石鹸を使って皮膚を清潔にしてから使います。途中で塗りなおすときは、 水洗いをして汚れを落としたうえで使います。昼間などに塗る必要がある場合には、清浄綿で軽く拭いてから 塗ります。塗ったときにかすかに光る程度の少量を使用し、湿疹部分にすりこまないで表面に軽く塗ります。 塗る範囲が狭いときは指先で十分ですが、範囲が広い場合には塗り残しがないように手のひらを使います。 湿疹があちこちに離れているケースでは、正常な皮膚に薬がつかないようにしましょう。 薬の効果は塗る回数によって違ってきます。汗などで落ちやすいので、少量を最低でも朝晩2回、 できたら1日3回、こまめに塗ることが大切です。水遊びをしたり、汗をかいたり、大泣きした後などは、 必ず薬を塗りなおします。 ステロイド剤による治療は段階を追って行い、一般には症状がひどいときは効力の強い薬を 1〜2週間くらい短期間使い、症状が軽くなったら効力の弱い薬に替えていきます。 炎症が治まったら使用を中止し、次いでワセリン、亜鉛華軟膏、親水軟膏、オリーブ油などの保湿剤を 用いて皮膚の乾燥を防ぎます。 アトピー性皮膚炎は症状をみながら治療方法を変える必要があります。 定期的に診察を受けて、ステロイド剤の使用は医師や薬剤師と話し合って決めましょう。 勝手に薬をやめたり、量を減らしてはいけません。中途半端な薬の使用によって症状がなかなかとれなかったり、 治ってもまたすぐに再発すれば、薬の使用が長期に及び、結果的に薬の量が増え、皮膚が赤くなったり、 萎縮するといった副作用の危険にさらされます。 短期間薬をきちんと使って治し、早く薬から脱することが重要です。 アトピー性皮膚炎の患者は、皮膚に炎症を起こしている為、皮膚が本来もっている バリアー機能が低下しています。そこでダニなどのアレルゲンが簡単に侵入してしまい、 ますます症状を悪化させてしまうという悪循環に陥っているのです。 ステロイド剤は、皮膚の炎症を抑える強い働きがあるので、皮膚の症状は比較的短期間で、 いったんよくなります。最近は、副作用のことを考え、この時点でステロイド剤をやめるように勧める 医師、薬剤師も多いようです。 ここで大切なのは、アレルゲンをきちんと特定し、生活環境から排除すること、スキンケア、 体質改善を怠らないことです。これをおろそかにすると、アトピー性皮膚炎が再発してしまいます。 また、ステロイド剤は、アトピー性皮膚炎の原因に対して効果があるのではなく、 あくまでも皮膚症状をよくするためにすぎません。対症療法のひとつですから、塗っただけでは 完治しないことを認識しておく必要があります。 なお、ステロイド剤がどうしても使用できないというケースでは、非ステロイド性抗炎症薬を用います。 しかし、ステロイド剤に比べて効力は低下し、重症の湿疹にはあまり効果がないとされます。 治りが悪いために長期に使えば、アレルギー性接触皮膚炎を引き起こすなど副作用も現れます。 [内服薬] かゆみが強いケースでは、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの飲み薬を補助的に使い、 かゆみをコントロールします。 かゆみを引き起こす化学伝達物質はヒスタミンとされます。抗ヒスタミン薬はヒスタミンに拮抗して かゆみを鎮めます。アトピー性皮膚炎では、血液中にヒスタミンが増加する傾向があります。 抗アレルギー薬は、ヒスタミンの生産にかかわる肥満細胞(マスト細胞)からヒスタミンの遊離を 抑える働きをする薬です。 抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬には、たくさんの種類がありますが、子どもによって効果が異なります。 1〜2日、服用して効果がみられないときには、別の種類を処方してもらい、子どもに合ったものを使います。 なお、かゆみ止めの内服薬の副作用として眠気があります。したがって眠気が強い場合には、 日中の服用は避けます。 ・海水浴療法 アトピー性皮膚炎の患者は、海水浴にいくと、海水がしみたり日焼けをして、一時的に悪化することもあります。 ところが、2〜4日するとかゆみがなくなり湿疹もよくなります。中には劇的に治るケースもあります。 これは、海水によって皮膚が洗浄、殺菌されたことと、紫外線による作用のほか、精神的な影響も考えられます。 少し前に、ブームになった深層水を肌に塗るのも効果的です。 深層水は太陽の光が届かないため、細菌が普通の海水に比べ、きわめて少ないという特徴があります。 ・漢方療法 アトピー性皮膚炎に対して、漢方が効果的なことがあります。漢方は、西洋医学と違い各個人の 体質などを見極めて使用します。 だから同じ症状でも、人によって使う漢方薬が違ってきます。特に成人の場合は、 症状がこじれている場合が多いので試してみる価値はあります。 良く使われる漢方薬は、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)・黄連解毒湯(おうれんげどくとう) 柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)・消風散(しょうふうさん)・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などがあります。 軟膏では、柴雲膏(しうんこう)・太乙膏(たいいつこう)などがあります。 漢方薬単独でなく、西洋医学の治療と並行して行う場合もあります。 |
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主なステロイド外用薬と強さのランク
薬を選択します。からだのなかでも湿疹の軽い部分と重いところがあるので、少なくとも2種類の 薬が必要です。(真剣に取り組んでいるよい病院、そうでない病院の判断基準の一つにもなります。 患者様に聞くと、ほとんど1種類しかださないようです。) 症状が治まったら薬は中止し、スキンケアで予防します。 ただし、あくまでも医師、薬剤師の指示に従うことが重要です。 |
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日常生活 スキンケアや食事にも配慮 ・スキンケア 子どものアトピー性皮膚炎は、多くの場合、思春期までに自然に治りますが、不可欠なのがスキンケアです。 スキンケアを怠ると、治るはずのものが治らず、大人になってもアトピー性皮膚炎を引きずることになりかねません。 スキンケアの基本は、肌を清潔に保つことです。薬で症状が治まったら、汚れた皮膚を清潔にし、 乾燥している肌には水分を与え、ジクジクする湿疹には乾燥させるスキンケアで、健康な 皮膚を保ちます。 アトピー性皮膚炎では、汗や汚れが炎症を悪化させ、かゆみがひどくなります。 毎日入浴し、汗や汚れをきちんと落とし、その後に、十分なスキンケアをします。 1日1回出来れば低刺激の石鹸(普通のものでも結構です)で皮膚を洗いましょう。 石鹸を十分い泡立てて、泡で皮膚をさするように洗い、石鹸の成分が皮膚に残らないように、 洗い流す必要があります。洗うときは、皮膚を強くこすりすぎないように気をつけます。 タオルも刺激の少ないものを使ったほうがよいでしょう。 シャンプーやリンスも出来れば低刺激なものが理想ですが、よくすすげば、普通のものでも結構です。 髪の生え際などに炎症の出やすい人は、低刺激のシャンプーを使用してください。 入浴後は、乾いた清潔なタオルで皮膚の表面の水分を軽くたたいてふきとり、失われた皮脂や セラミドを補うために、保湿クリーム、保湿ローション、オリーブオイル、ベビーオイル、ツバキ油などを 利用して、乾燥しないように注意しましょう。皮膚に湿気がある入浴後15分以内に塗ることが 大切です。使用した部分がかぶれる(赤くなる)接触皮膚炎を起こし、症状が悪化するようなら、 保湿剤が皮膚に合っていないので使用を中止し、別の種類を使います。 保湿成分が入った入浴剤や漢方薬を使って入浴する治療法もあります。 ・食事 食物アレルギーがない場合は、栄養のバランスを考えた食事をとれば、それで十分です。 同じものばかり食べつづけるとアレルギーを起こすケースがあるという指摘もありますから、 できるだけいろいろな食品をとるように心がけてください。 食物アレルギーがある場合は、医師の指導に従って、除去食療法に取り組む必要があります。 栄養面でのバランスが失われないように、かわりの食品を確保しなければいけません。 ただし、症状の程度によっては、あまり神経質に考えないほうがよい場合もあります。 αリノレン酸を含むシソ油や海藻、大根、EPAを含むアジ、サバなど青魚を積極的に食べるのも よいでしょう。EPAは炎症を起こす化学物質のロイコトリエンが細胞から遊離するのを抑制し、 αリノレン酸はからだの中でEPAをつくるので、同じ効果があります。この際、植物油や動物質の 脂を少なくすると、より効果的といわれています。 特に良いとされる食べ物は、イワシ、さんま等の青魚類、ヨーグルトなどの乳製品、キノコ類などです。 反対に、肉類には、ロイコトリエンのもとになるアラキドン酸が多く含まれるので、 あまりたくさん食べないほうがよいでしょう。砂糖の多いお菓子類、ジュースなどもほどほどにしましょう。 砂糖をたくさんとると、消化管の中でカンジタなどのカビ類(真菌)が増殖し、この結果、アレルゲンが 吸収されやすくなってしまいます。また体内のカルシウムを排出させてしまい、より過敏症になります。 大人では、酒、タバコ、コーヒーなど刺激の強いものもひかえめにします。 ・体質改善 上記のような食べ物を多くとる食事療法が基本になりますが、カルシウムなどの保健薬を服用すると効果的です。 あと、緑黄色野菜(ほうれん草・かぼちゃ・にんじん・ブロッコリーなど)を多く摂取するように、心がけます。 1年は最低続けると、体質は改善されていきます。 ・衣服 ナイロンやポリエステルなどの化学繊維や羊毛は、皮膚を刺激することがあるので、 避けたほうがよいでしょう。とくに皮膚に直接触れる下着は、綿100%のやわらかな素材のものに してください。 乳児の場合、抱く親の衣服にも注意してください。かゆいと子どもは顔をこすりつけてくるからです。 布団や毛布も症状の出やすい首がこすれることがあるので、綿のものを使うか、綿のカバーをかけて 使うとよいでしょう。マフラーやセーターも、首に直接あたらないように注意してください。 衣服を洗濯する際には、洗剤成分が衣服に残らないように、十分すすぐことが大切です。 漂白剤や柔軟剤は、皮膚を刺激することがあるので、なるべく使わないほうが無難です。 髪の毛も額やほお、うなじなどにかからないように短く切ったほうがよいでしょう。 ・住環境 アトピー性皮膚炎の湿疹の原因となる代表的なアレルゲンはイエダニの糞や死骸に含まれる 成分です。住環境の変化のため、ダニは20〜30年前の3倍になっています。 家の中のダニをいかにして少なくするか、知恵をしぼらなくてはいけません。 ダニは湿気を好むので、なるべく窓を開けて部屋に風を通し、換気をよくすることが大切です。 冷暖房器具を使う季節は、換気がおろそかになりがちですから注意しましょう。 ダニはカーペットや畳の中に生息しているので、部屋の床材はフローリングが好ましいといえます。 ハウスダストの中にもダニはいるので、こまめに、丁寧に掃除することも必要です。 掃除機に吸い込まれると、ダニはたいてい死滅しますが、掃除機からの排気の中には死骸や 糞が含まれています。ですから、窓を開けて掃除しないと、せっかくの掃除もアレルゲンをまき散らすだけに なりかねません。 布団や毛布の中にもダニはたくさんいます。寝具にはダニのえさになるフケや垢が多く、 ダニが生息しやすいのですが、60℃の熱に1時間あてると死滅します。布団や毛布は毎日、 天日干しにするか布団乾燥機を用い、その後、布団全体に掃除機をかけて、ダニの死骸や糞を 除きます。 なお、布団は木綿地、中は木綿綿にし、布団カバーや枕カバーはダニを通しにくい布目の細かい 綿製品を用います。ぬいぐるみ、布張りのソファ、座布団の中からも、たくさんのダニが見つかります。 ぬぐるみや座布団も、日光に干した後、掃除機をかけてダニ退治してください。ソファは合成皮革の ものなら大丈夫です。 ダニやカビなどのアレルゲンを取り除く空気清浄機も市販されているので、これを利用することも 考えてみましょう。 犬、猫、小鳥などのペットは、毛や唾液がアレルゲンとなりますから、アトピー性皮膚炎の 患者のいる家では、飼わないほうがよいでしょう。 フローリングは毎日掃除機をかけ、ぞうきんがけをすれば、ダニは生息できなくなります。 室内のダニが1u当たり100匹以下になれば、アトピー性皮膚炎の発症がなくなるという 実験結果もあります。 ・精神面 精神的なストレスが大きいと、かゆみの程度にかかわらず、皮膚を強く何度もひっかくことがあります。 リラックスして、毎日を過ごすようにしましょう。寝つきが悪いと、かゆみが気になることもあります。 毎日規則正しい生活を送り、十分な睡眠を心がけてください。 |
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| まとめ 長期にわたる治療が必要 アトピー性皮膚炎の治療に長期間かかります。あせらず、ゆっくり治療しましょう!! 乳幼児の場合は、思春期になれば自然に治るだろうと楽観的に考えて決してあせらないことです。 成人でも、症状を悪化させないようにして、気長に対処してください。 ただし、アトピー性皮膚炎は思春期にはよくなりますが、アレルギー体質そのものは決して改善されていないので、 食事療法などを行い、アレルギー体質を改善することを行ってください。 |
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