食中毒
衛生面の向上した現代でも、食中毒はいまだに減少していません。
子どもにとって重症化の危険性が高い病気です。
| ヘルスチェック こんな症状に注意! ・頭痛がしているようですか? ・激しい腹痛を訴えていますか? ・胸がムカムカすると言って気持ち悪がっていますか? ・嘔吐しましたか? ・下痢をしていますか? ・便に血が混じっていますか? ・全身がだるそうですか? ・発熱がありますか? ・口の中が異常にかわくようですか? |
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どんな病気ですか? 原因の90%以上が細菌性 からだに害のある細菌や、化学物質、動植物の自然毒などが付着した飲食物を飲んだり 食べたりして、腹痛や嘔吐、下痢などの中毒症状を起こすことを、食中毒といいます。 ほとんどは症状が軽くてすみますが、なかにはO-157や、ふぐ毒のように 死に至ることもあります。とくに、からだの抵抗力の弱い子どもやお年よりで重症化する傾向があります。 1994年の厚生省(当時)の食中毒の統計では、830件、35,735人の届出がありました。 (実際には、この20倍から30倍が食中毒になったと考えられます)。 これは、前の年に比べて件数では50,9%、患者数では39,0%の増加率です。 食中毒の発生件数は年によって増減はありますが、減少傾向にあるとはいえません。 原因が判明しているのは80%強ですが、このうち90%以上が細菌によるものです。 食中毒が発生するのは、7月から9月にかけての3ヶ月間がもっとも多く、 年間発生件数の半数以上がこの期間に集中しています。 温度や湿度が細菌の増殖に適しているためと考えられています。 |
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原因と症状ー1 中毒を起こす細菌の種類と症状 食中毒を起こす細菌は、(1)飲食物についた細菌が、飲食物の中や腸管の中で 増殖して起きる「感染型」、(2)飲食物の中で細菌が毒素をつくり、それが体内に入って起こる 「毒素型」、に分けられます。感染型は毒素型に比べ潜伏期間が長く、症状がでるのは 平均2〜3日です。毒素型は潜伏期間が30分から数時間と短く、1日以内に発病します。 ・感染型 腸炎ビブリオ 陸地に近い海水中に生息し、海水の温度が20℃を越すと急激に増殖します。 このため、夏期にこの菌に汚染された生の魚介類や、それを加工したものを食べると、 6〜18時間で激しい腹痛や、気持ちが悪い、嘔吐する、水のような下痢をするなどの 症状が現れます。また、発熱や血便がみられることもあります。ほとんどは2,3日で 症状は軽くなります。 サルモネラ菌 哺乳類や鳥類などの腸管内に生息し、これらの動物を食肉にする際に菌が付着したり、 親鳥の菌で卵が汚染されたりして、人間に感染します。潜伏期間は12〜24時間で、 38℃前後の高熱を出し、腹痛や悪心、嘔吐、下痢などが起こります。 特に子どもが発症すると重症化する傾向が強く、敗血症や髄膜炎を合併して 死亡するケースもあり、注意が必要です。通常は2,3日で回復します。 病原大腸菌 人や動物の腸管内に生息しており、大部分は病気を起こすことはないのですが、 一部の菌は食中毒の原因になります。飲料水や生カキにより感染するケースが多くみられます。 原因なる菌の型により、潜伏期間や症状は異なります。症状が早く出るもので 10〜72時間、長いもので1〜5日間です。症状が軽いものは、1日数回の水状の下痢と、 軽い腹痛ですみます。しかし、O-157のように、死に至らしめるほど重症化する タイプの菌もあります。とくに、子どもには注意が必要です。 カンピロバクター 牛や豚、鶏、ペット類や野鳥などの腸管内に生息する菌が食肉になる過程で生肉を 汚染します。主に鶏肉が感染要因となっています。また、ペット類から経口感染したり、 飲料水からも感染します。菌が微量でも感染するのが特徴で、潜伏期間は1〜7日間と 比較的長く、下痢に加え、血便や発熱をともなうこともあります。 乳幼児の食中毒でもっとも頻度が高く、原因菌の70〜80%を占めています。 ・毒素型 黄色ブドウ球菌 健康な人の鼻やのど、髪の毛、手の指、腸管などに生息し、化膿の原因にもなります。 調理をする人の手指を介して菌が食品に混入され、それを高温、多湿のところで 長時間放置すると菌が増殖し、毒素をつくります。それが食中毒を起こします。 おにぎりや弁当、サラダ、すしなどから感染することが多く、100℃で30分間加熱しても 破壊されないのも特徴です。潜伏期間は30分から6時間で、嘔吐、腹痛、下痢、 約半数に軽い発熱がみられます。重症化はまれで、比較的早く回復します。 |
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原因と症状ー2 フグやキノコは要注意の自然毒 発生件数は細菌によるものに比べわずかですが、死に至る危険がもっとも高いのが 自然毒による食中毒です。厚生労働省が統計をとりはじめた1952年以来、 食中毒による死者の60〜80%は自然毒によるものです。94年の死者2人も自然毒が原因でした。 自然毒は動物性と植物性に大別されますが、動物性ではフグ、植物性では毒キノコを、 素人が誤って料理して食べる死亡事故が多いようです。 動物性には、フグのほか、熱帯に生息するバラハタや、バラフエダイ、産卵期のカキやアサリなどが あります。もっとも注意が必要なのがフグで、食後30分ほどで唇や舌、指先がしびれ始め、 重いときには呼吸筋がしびれるために呼吸困難に陥り、死に至ります。 植物性でもっとも危険なのは毒キノコで、自然毒の食中毒のうち約50%以上という 高い頻度で原因になっています。キノコによる中毒は、食後1時間ほどで嘔吐や下痢、 腹痛などを起こし、1日くらいで回復する消化器症状型と、毒素が中枢をおかし、 よだれを流したり興奮状態におちいる神経症状型の2つに分けられます。 消化器型が重症化すると2〜4日ほどで死亡することもあります。 |
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原因と症状ー3 重症化しやすい化学物質の食中毒 保存料や甘味料、着色料など有害な化学物質による中毒は規制の強化により、 最近では起こっていません。また、農薬による集団食中毒もみられなくなりました。 注意したいのは、缶詰や食器の金属部分が酸性食品に触れ、溶け出して食品に付着する ケースや、子どもが誤って殺虫剤や洗剤などを口にして起こる中毒です。 嘔吐や腹痛、下痢が起き、ときにはめまいやショック症状もともないます。 死亡する危険性も高く注意が必要です。 |
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応急処置と治療 下痢止めは厳禁、すぐに医師へ いずれの食中毒でも、体内から原因になる菌や毒素を早く体外へ出すことが急がれます。 ですから、絶対に下痢止めを使ってはいけません。吐けるだけ吐くようにすることも大切で、 水やぬるま湯を2〜3杯ほど飲ませ、指を口に入れて吐かせます。激しい下痢が続くと、 大量の水分と電解質(ナトリウムなど)が失われ、特に子どもやお年よりでは脱水症状を 起こしやすくなります。水分補給に気をつけ、様子をよくみます。下痢が2日以上続いたり、 口にした飲食物で思い当たるものがある、ふつうの下痢ではないなど、 おかしいと思うことがあれば、すぐに医師の診察を受けるようにします。 治療では、脱水症状に対する点滴を中心にした対処療法が行われます。細菌性食中毒では 抗菌薬が使われますが、重症のサルモネラ菌や症状が長引く場合以外は、 必ず使うというわけではありません。 症状が激しいときは、入院治療が必要になることもあります。 絶飲食とし、点滴を投与していき、症状が改善されるに従い、少しずつ常食にもどしていきます。 乳幼児では下痢はよくある疾患ですが、食欲不振や嘔吐、発熱がともなうと、 短時間で入院が必要なほど脱水症状におちいることがあります。体重減少が5%以内なら 通院でも治療できますが、8%以上減っているときには入院治療になります。 |
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予防 よく洗い、よく加熱しすぐに食べる 細菌性食中毒を完全に防ぐには、牛や鶏などを食肉にする際の感染を、行政レベルで 防ぐことが必要です。しかし、家庭内で注意すればかなりの予防効果があります。 調理する人の手指は清潔にしておき、調理器具などは熱湯で30分ほど消毒します。 食材はよく洗って加熱してから口にするようにします。また、ハンバーグやステーキなど、 表面だけ加熱され、中まで火が通りにくいものは注意します。 冷凍保存は、まいなす10℃以下で行うようにします。 しかし、菌によっては冷凍しても死なずに、解凍後に増殖するものもあるので、 解凍後は高温状態に放置せず、すみやかに加熱調理をします。また、調理したものは すぐに食べるようにしましょう。 |
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食中毒を未然に防ぐために ・食べ物は十分に洗い、加熱してから食べましょう。 ・用便後や、食事前、調理をする前には手をよく消毒します。 ・調理器具は、食材ごとに別にして熱湯消毒してください。 ・調理した後は、できるだけ早く食べましょう。 ・直後、手で食材に触れないように気をつけます。 ・日ごろ食べなれない魚やキノコは口にしないほうが安心です。 ・生水は飲まないようにします。 ・肉や魚を冷凍保存するときは、ラップに包み、ほかの食材に触れないように注意しましょう。 |
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かかりやすい細菌性の食中毒
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