学校伝染病
学校という集団の中で広がりやすく、特に予防が必要とされる病気を
学校伝染病といいます。病気の性質によって三つに分類されています。
| どんな病気ですか? 学校保健法で定められている伝染病 集団教育の場である学校では、多くの子ども達が毎日生活をともにしています。 そこに伝染病が発生すれば、学校が病原を媒介する場となり、次々と広がっていく恐れがあります。 学校伝染病とは、学校で感染・蔓延する病気を防ぐ必要があるために、学校保健法で 定められた伝染病のことをいいます。 感染力が強く、子ども達の健康に重大な影響を与えるいくつかの病気を学校伝染病と規定し、 予防のための法的な基準が設けられています。 |
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伝染病の変化 生命にかかわる伝染病は激減 1950年ころから伝染病の変化をみると、かつて猛威をふるったトラコーマや結核などの 伝染病は激減しました。衛生状態の整っていなかった時代に恐れられた赤痢やチフスも めったにみられなくなっています。予防接種の普及により日本脳炎、急性灰白髄炎(小児麻痺) なども、まれに出現する程度になりました。 現在、学校でよくみられる伝染病はインフルエンザや風疹、水痘など、かかりやすいわりには、 比較的軽い伝染病や感染症です。発生率も以前に比べて特に下がってはいません。 さらに、1996年に集団発生した腸管出血性大腸炎0−157による食中毒のように、 新たな病気が話題になることもあります。 学校、特に小学校の場合は児童の年齢が低く、いろいろな伝染病に対して十分な免疫力を 備えていないうえに密集した集団生活を営んでいるため、伝染病が流行しやすくなります。 そのため伝染病の予防は、ほかの社会集団と比較して、ずっと重要な意味をもっています。 |
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種類・内容 大きく三つに分類されている 現在の学校伝染病は、第1類から第3類までに分けられています。 それぞれの分類に含まれる主な疾患は次のとおりです。 ・第1類 法定伝染病 この分類に含まれる病気に感染した場合には、伝染病予防法が優先するため、感染者は 隔離されて治療を受けることになります。 最近、日本ではこうした伝染病はほとんどみられなくなりましたが、地方によっては日本脳炎、 赤痢などがまれに発生することがあります。 [第1類に含まれる病気] 法定伝染病のコレラ、赤痢、腸チフス、パラチフス、痘瘡、ペスト、発疹チフス、猩紅熱、 ジフテリア、流行性脳脊髄膜炎、日本脳炎です。 猩紅熱は現在では抗生物質がよく効き、2〜3日で菌が出なくなるため、隔離をしなくても すむように、一般に溶連菌感染症という診断名でよばれ、第3類として扱われることもあります。 ・第2類 学齢期に多い急性伝染病 第2類に含まれる疾患には日常的によくみられるものも多く、ときには大流行することがあります。 この分類の伝染病は9種類ありますが、咽頭結膜熱以外は予防接種があり、地域や かかりつけの医院で受けることができます。 [インフルエンザ] インフルエンザウイルスによって起きるかぜ症候群の一つです。 39℃前後の高熱、頭痛、関節痛、のどの痛み、咳などの症状がでます。 [百日咳] 子どもに多い呼吸器の感染症で、かぜと似た症状で始まり、次第に咳が目立つようになります。 咳は特にひどくなることが特徴です。最近は、学校で流行することはまれですが、 咳が長く続くときは疑ってみる必要があります。 [麻疹(はしか)] 現在も、散発的にみられます。風疹にかかった子どもの大多数は予防接種を受けていませんが、 受けた場合でも効き目が十分でなかったり、免疫効果の弱まっている場合があります。 かぜに似た症状の後、発疹が出るのが特徴で、気管支炎や肺炎、脳髄膜炎を起こすことがあり、 注意が必要です。 [急性灰白髄炎] ポリオ、あるいは小児麻痺といわれ、ひと昔前には大変恐れられた感染症です。 発熱、嘔吐、頭痛が起こり、やがて筋肉が萎縮して麻痺、変形を起こします。 ワクチンの普及により、最近はほとんどみられなくなりました。 [ウイルス性肝炎] ウイルス性肝炎には何種類かありますが、ここで対象となるのは主としてA型肝炎です。 発熱、頭痛、嘔吐、下痢、黄疸などを起こします。食事から伝染しますが、 学校ではあまりみられません。 [流行性耳下腺炎] 通称おたふくかぜとよばれています。耳の下にある耳下腺が腫れます。冬から春にかけて 流行しやすく、合併症が起こることもあります。 [風疹] 三日ばしかとよばれるもので、発疹、頭痛、発熱が出ます。麻疹に比べれば軽度ですみます。 [水痘] いわゆる水ぼうそうです。皮膚に盛り上がった発疹が現れ、やがて水疱となります。 [咽頭結膜熱] プール熱ともいわれ、夏に多い病気です。アデノウイルスに感染することによって起こり、 高熱、結膜炎、のどやリンパ節の腫れが主な症状です。 ・第3類 その他の学校伝染病 結核、トラコーマに代わって増加してきた目の疾患の流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、 およびその他の伝染病に分類されています。 その他については特に規定はありませんが、手足口病、伝染性紅斑(りんご病)、 流行性嘔吐下痢症、ヘルパンギーナ、溶連菌感染症、マイコプラズマ感染症などを含めることが 多く、0−157による食中毒もその他の伝染病として扱われます。 |
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学校の対応と対策 感染防止のための指導 学校伝染病が発生したときに、学校では次のような対策をとります。 ・患者の出席停止 学校保健法によって、校長は学校伝染病に感染した子どもに、病気が治るまで学校を休むように 指導します。この休みは出席停止といい、欠席日数には含まれません。 第1類の法定伝染病にかかったときには、伝染病予防法に基づき、隔離されて治療を受ける ことになります。 第2類の病気にかかった場合、学校を休ませる目安は下記のとおりです。 ただし、絶対にこの期間を守らなければならないわけではなく、症状によって、医師が認めれば 登校させることができます。 第3類の病気に関しては、基本的にはその病気が治るまで、ということになりますが、 これも医師の判断によります。 なお、第3類のその他で扱われている伝染性紅斑、手足口病の登校停止について議論があり、 1993年に日本小児科学会が見解を発表しました。以後発疹が出ていてもその時点ではすでに 感染力がないので本人が学校へ行ける状態なら登校させてもかまわないという考えが 一般的になっています。 ・学級閉鎖・学校閉鎖 主としてインフルエンザの流行に対し、伝染予防のため健康な子を含めたクラス全体、 あるいは学校全体を臨時に休みにする学級閉鎖・学校閉鎖が行われることがあります。 その病気に感染したために欠席している児童の数が通常の欠席率よりも極端に増えてきた場合、 地域の病気の流行情報、学校医の意見などを参考にして、学校を設置している 市町村などが決定します。 |
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出席停止の基準 学校伝染病にかかったら、ほぼ次の期間は学校を休むことになります。 ただし、子どもが元気になって、学校医や、治療を受けている医師が感染の恐れがないと 判断すれば登校することができます。
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感染経路でみる第2類と第3類の学校伝染病
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家庭での対応 医師の診断を受けたら届け出を 家庭では、日ごろからしっかり子どもの健康を観察し、必要に応じて医師の診断と適切な 治療を受けることです。 また、予防接種について必要な知識をもっておくことも大切です。 ・学校伝染病に感染したら 子どもに高熱や激しい下痢、嘔吐、血便、発疹など、何らかの異常な症状が現れた場合には、 すぐにかかりつけの医師や薬剤師に相談し、必要に応じて医師の診断を受ける必要があります。 学校伝染病であると診断された場合には、すみやかに学校に連絡をいれます。 その後は、医師の指示を守り、適切な治療を受けてください。元気になって医師の登校許可が 出たら、登校許可証の用紙をもらって、医師に記入してもらい学校に提出します。 兄弟姉妹がいる場合には、症状が出ていなくても、体調には十分気をつけ、 少しでも異常があれば、早めに医師にみせましょう。 ・予防接種について 学校伝染病のなかには、予防接種が実施されている病気もたくさんあります。 予防接種法、結核予防法によって接種が勧奨されている定期予防接種はジフテリア、百日咳、 破傷風、ポリオ、麻疹、風疹、日本脳炎、BCGの8種類です。 現在主に集団接種が行われているのは、BCGとポリオで、その他は原則として自治体からの 連絡を受けて、個人が医師のもとで受けることになっています。 水ぼうそう、おたふくかぜ、インフルエンザなど学校伝染病の第2類に指定されているものについても、 任意での予防接種が行われています。 予防接種については、副作用の問題もあり、最終的には家族の判断ということになります。 しかし、例えば1974年、百日咳ワクチンによる脳症の発症が問題になって一時期使用を中止した際、 百日咳の患者が多発したというように、予防接種を受けなければ、それだけ流行しやすくなるという 問題も見逃せません。 |
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日ごろから病気に対する抵抗力を 学校伝染病の広がりを防ぐ為に、忘れてはいけないのが、子どもの日ごろの体力づくりです。 そのためには、規則正しい生活と十分な睡眠、バランスのとれた食事と適度な運動を実行し、 病気に負けないからだをつくるように努力しましょう。 なるべく薄着で皮膚の鍛錬をするのも効果があります。体力がつけば病気に対する抵抗力も 増します。 外から帰ったら、うがいや手洗いなどを慣行することも、伝染病にかからないためには大切です。 |
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