胆道がん・膵臓がん
胆道がんや膵臓がんの発症数は増加傾向がみられます。早期発見・早期治療の
ためには、超音波検査などを定期的に受けることが大切です。


ヘルスチェック
こんな症状に注意!
・上腹部から背中にかけて痛みがありますか?
・上腹部に腫れがありますか?
・白目や皮膚が黄色っぽくなっていますか?
・便の色が白っぽくなっていませんか?
・食欲不振が続いていませんか?
・体重が減少していませんか?
からだのだるさが続いていますか?
どんな病気ですか?
胆道や膵臓に発生する悪性腫瘍
 胆道がんは、胆のうがんと胆管がん、乳頭部がんに分けられます。
胆のうがんは、胆汁をためておく袋状の臓器である胆のうと、胆管をつなぐ胆のう管に発生した
悪性腫瘍のことです。
 胆管がんは、胆管の上皮細胞に発生したがんを指します。胆管には、肝臓の内側を走る肝内胆管と、
外を走る肝外胆管があります。通常、胆管がんという場合は、肝外胆管に発生したものだけをいいます。
また、胆管と膵管の十二指腸への開口部であるファーター乳頭部がんとよばれています。
 胆のうがんの人の約50〜80%は、胆石を保有しているされています。
胆石があると、必ず胆道がんになるわけではありませんが、胆のうの炎症や胆汁の成分の変化などが、
がんの発生しやすい素地をつくると考えられています。胆石の保有者は、食生活の欧米化や
人口の高齢化に伴って年々増えていて、胆道がんにも増加傾向がみられます。
 膵臓は、二つの大きな機能をもっています。膵液という消化液を分泌する外分泌と、さまざまな
ホルモンをつくりだして血液中に送る内分泌の機能です。
 膵臓の悪性腫瘍のほとんどは、外分泌にかかわる細胞に発生し、その80%以上は、膵液を
十二指腸に送る膵管に発生する膵管がんを指します。
 膵臓の内分泌細胞から発生する膵内分泌腺からホルモンが過剰に分泌されるために
さまざまな症状が現れる症候性腫瘍と、特徴的な症状がみられない無症候性腫瘍とに分けられます。
 膵臓がんの原因は明らかではありませんが、動物性脂肪やたんぱく質、アルコールなどの
過剰摂取、喫煙などがリスクファクターといわれています。膵臓がんの患者数は近年、
著しく増加しています。
胆道がんの症状
発生部位によって症状が異なる
 胆のうがんと胆管がんでは、症状を現れ方が異なります。
・胆のうがん
 胆のうがんの初期には特徴的な症状はなく、無症状のことも少なくありません。
最初に現れる症状で、最も多いのは腹痛です。そのほか、食欲不振、吐気や嘔吐、発熱といった
一般的な消化器症状もみられます。胆のう内で腫瘍が大きくなると、上腹部や右わき腹に鈍痛が
生じます。痛む部位に触れると、しこりを感じることもあります。
 がんが進行すると、黄疸が現れます。大きくなった腫瘍が胆管を圧迫し、胆汁の流れがとどこおり、
行き場を失った胆汁によって胆管の内圧が上昇すると、胆管は拡張します。そして、胆汁は肝臓に逆流し、
血管に入って全身をめぐります。
胆汁にはビリルビンという黄色の色素が含まれているので、皮膚や目の白目の部分が
黄色っぽくなるのです。また、胆汁に含まれる胆汁酸が皮膚を刺激して、強いかゆみを招くようになります。
 尿中にビリルビンが排泄されると、尿の色が赤褐色に変化する黄疸尿が現れます。
胆汁が十二指腸に送り出されなくなるため、便が白っぽく変色したり、脂肪の消化・吸収に支障をきたして
下痢をしやすくなるケースもみられます。
 たまった胆汁内で細菌が繁殖し、胆のう炎を併発して発熱することもあります。
・胆管がん
 胆管がんが発生すると、胆管がふさがって胆汁の流れがとどこおり、黄疸が現れます。
皮膚のかゆみや黄疸尿、白色便なども特徴的な症状です。
 胆管に生じた炎症に伴って上腹部痛や発熱が起こることもあります。下痢や食欲不振から体重が
減少したり、全身がだるく感じるケースもみられます。
胆道がんの検査と診断
超音波検査がスクリーニングに有効
 胆のうがんと胆管がんの診断では、スクリーニング(ふるい分け)のための腹部超音波検査や、
各種の画像検査が行われます。
・胆のうがん
 がんが胆管を圧迫すると、胆汁が血液中や尿中に排泄されて、血清ビリルビンや
ALP(アルカリフォスファターゼ)、尿中のビリルビン値が異常な高値を示します。
また、胆汁が肝機能を低下させるため、肝機能障害の指標となるγーGTP,GOTやGPTなども上昇します。
胆のうがんの大半で腫瘍マーカーであるCEA(がん胎児性抗原)やCA19−9の数値が高くなります。
 胆のうがんのスクリーニングでは、腹部超音波検査が有効です。からだへの影響がほとんどないので、
繰り返して行うことができます。
 この検査でがんが疑われたり、逆に胆のう内が十分に観察できなかったときには、
CT(コンピューター断層撮影)検査やMRI(磁気共鳴映像法)検査が行われます。
がんかどうかが明らかになるほか、がんの存在部位を確かめたり、がんの広がり具合や周囲の
臓器への転移を知ることができます。最近では、MRIを応用したMRCP(磁気共鳴胆管膵管撮影法)が
開発され、造影剤を用いないで胆管や膵管の像を描出できるようになりました。
 また、内視鏡の先端に超音波を発する装置をとりつけて行う超音波内視鏡検査も、
胆のうがんと胆のう内のポリープを鑑別したり、胆のう壁へのがんの浸潤や肝臓への転移の状態を
調べるのに役立ちます。
 ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)検査で、胆管の閉塞状態やがんの広がりを調べることも
大切です。これは、口から挿入したファイバースコープ(内視鏡)を十二指腸まで進め、ファーター乳頭から
造影剤を注入するものです。
 黄疸の治療のために、閉塞した胆管に細いチューブを通し、十二指腸を経由して胆汁を体外に
排泄させるERBD(内視鏡的逆行性胆道ドレナージ)を併用するのが一般的です。
 PTC(経皮経肝胆道造影)検査では、わき腹から直接、拡張した肝内胆管に針を刺して造影剤を
注入し、X線撮影をします。腫瘍の部位や浸潤の確認に有効です。通常、PTCと同時に、わき腹から
ドレーンというチューブを挿入して、停滞している胆汁を体外に排泄させる
PTCD(経皮経肝胆道ドレナージ)が行われます。
 腹部血管造影検査では、太もものつけ根の動脈などを介して血管にカテーテルを挿入し、胆のうや
膵臓、肝臓の血管に造影剤を注入してX線撮影を行います。血管へのがんの浸潤程度が明らかになり、
手術が行えるかどうかの判断基準となります。画像診断の補足を目的として、放射性同位元素という
薬を注射し、肝臓や胆道への取り込まれ方をみる肝・胆道系シンチグラフィや、確定診断のために、
組織や細胞を摂取して顕微鏡で調べる病理組織学検査などが行われることもあります。
・胆管がん
 検査の流れは、胆のうがんとほぼ同じです。腹部超音波検査では、胆管の拡張の具合や胆のうの
腫れ具合などを確認します。胆管の閉塞部を探ることもできます。続いてCTやMRIが行われます。
 画像検査を補足するための血液検査や尿検査のほか、胆管の閉塞状態について詳しく知るために、
ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)検査やPTC検査が併用されます。
これは、ファイバースコープを口から十二指腸まで送り、さらに先端からカテーテルを出して、
胆管と膵管の合流地点である十二指腸乳頭に差し入れます。その後、造影剤を注入してX線撮影を行い、
胆管や膵管の状態を調べるものです。
胆道がんの病期分類
 病期はリンパ節や肝臓への転移や、周辺組織への浸潤程度などから判断されます。
リンパ節転移の程度は、がんの原発巣からの距離によって4段階に分類されています。
原発巣に近いところから、順に第1群、第2群、第3群、第4群となります。




T期 胆のう内にがんがとどまっている段階です。リンパ節転移や肝床、胆管、血管系への
浸潤がまったくない初期がんです。
U期 胆のう周囲にがんがわずかに広がっている段階です。第1群までのリンパ節転移、
あるいは胆のう表面や肝床、胆管への浸潤の疑いのどれか一つでもあれば、
U期に分類されます。
V期 胆のう周囲にがんが中等度に広がっている段階です。第2群へのリンパ節転移、
あるいは胆のう表面や肝床、胆管への明らかな浸潤や、血管系への浸潤の
疑いのどれか一つでもあれば、V期に分類されます。
W期 胆のう周囲の臓器や胆管、血管系にがんが高度に浸潤している、あるいは
第3群のリンパ節に転移をしている段階です。
がんが肝臓や腹膜、その他の遠隔臓器に転移をしている、あるいは第4群の
リンパ節に転移をしている段階です。



T期 胆管内にがんがとどまっている段階です。
U期 胆管表面や肝臓、膵臓にがんが広がっていることが疑われるか、あるいは
第1群までのリンパ節に転移が認められる段階です。
V期 胆管表面や肝臓、膵臓にがんが明らかに浸潤している、血管系に浸潤が疑われる、
あるいは第2群のリンパ節転移が認められる段階です。
W期 胆管周囲の臓器や肝臓、膵臓、血管系に高度にがんが浸潤している、
あるいは第3群のリンパ節まで転移をしている段階です。
肝臓、腹膜、遠隔臓器や第4群リンパ節に転移をしている段階です。
胆道がんの治療
周辺臓器とともに病巣を切除
 胆道がんの治療では、病巣と一緒に周囲の臓器やリンパ節を取り除く手術が基本となります。
・胆のうがん
 胆のうがんの手術では、病期(上の表参照)によって切除範囲が決められます。
胆のうの粘膜内にとどまっているT期のがんであれば、胆のうだけを摘出した後に胆のう管を閉じる
単純胆のう摘出術の適応となります。こうしたケースでは、5年生存率はほぼ100%となっています。
 固有筋層まで広がっているT期のがんやU期の一部のがんに対しては、胆のうと周囲のリンパ節、
肝臓の一部を切除する、拡大胆のう摘出術が行われます。
 U期またはV期になると胆のうと胆管、肝臓の一部、そしてリンパ節を摘出する
肛門部切除術や肝区域切除術の適応となります。胆管を切除すると、胆汁の通り道がなくなるので、
胆管の切除後に残った上部胆管と、小腸の一部である空腸をつなぐ手術も併せて行います。
 V期やW期の進行がんに対しては、胆のうや胆管に加えて、肝臓の約60%を占める右葉などを
切除し、広範囲のリンパ節を取り除く拡大肝葉切除術がとられます。がんが腹膜に広がっていたり、
遠くの臓器に転移している場合には、手術以外の治療法が選択されます。
 抗がん剤による化学治療は、手術後の再発防止や、がんの縮小を目的に行われるものです。
また、放射線療法は、がんの縮小のほか、胆管の閉塞を改善して黄疸を軽くしたり、がんによる痛みを
緩和する効果が期待できます。
・胆管がん
 胆管がんの手術では、病巣部分の切除が基本です。ただし、胆管は肝臓や膵臓などに
囲まれているために周辺臓器への浸潤が起こりやすく、がんの広がり具合に応じてほかの
臓器やリンパ節も一緒に取り除くことになります。
 肝臓に近い上部胆管のがんでは、胆管と肝臓の一部が切除されます。下部胆管や中部胆管に
発生したがんでは、胆管と一緒に膵臓に一部も切除します。
 胆管がんの手術は、ほかの臓器を同時に摘出するために難しいとされ、手術後に出血などの
合併症を起すケースもあります。手術の適応となるのは主にT期とU期のがんです。
 V期の進行がんでも可能な限り手術が行われますが、がんの広がり具合によっては
放射線療法を併用したり、手術以外の方法が選択されます。
 胆管がんに対する放射線療法としては、外部照射、術中照射、腔内照射の三つがあります。
外部照射は、体外から少量の放射線を週に5回、合計25〜30回ほど照射する方法です。
術中照射は、手術後の再発防止を目的として、手術中に大量の放射線を病巣にあてるものです。
また、腔内照射は、放射線を発するイリジウムなどを入れた細いチューブを、手術時や
PTBD(経皮経肝胆管ドレナージ)の際に胆管に留置する方法で、正常な組織への影響が少なくて
すみます。放射線療法では、術中照射による治療効果が最も期待されています。
 化学療法は、W期のがんに対する治療の主体となり、放射線療法を組み合わせることもあります。
膵臓がんの病期分類
日本膵臓学会の分類と、国際的な基準であるUICC分類が併用されています。








T期 がんが膵臓内にとどまっているか、わずかに膵内胆管に浸潤していて
大きさが最大径2cm以下のものです。
U期 がんが膵臓内にとどまっているか、わずかに膵内胆管に浸潤していて
大きさが最大径2cm以上になっている、あるいは第1群のリンパ節転移が
ある段階です。
V期 がんが膵臓の周辺臓器に少し出ているものの、リンパ節転移は第1群に
とどまっている、または、がんは膵臓内にとどまっているが、
リンパ節転移が第2群に及んでいる段階です。
W期 がんが膵臓の周辺臓器に少し出ていて第2群までのリンパ節転移がある、
または周辺臓器にはっきりと及んでいたり、第3群のリンパ節転移が
みられる段階です。
がんが肝臓や腹膜、あるいはその他の遠隔臓器に転移をしている段階です。
U
I
C
C


T期 がんが膵臓内にとどまっているか、十二指腸や胆管、あるいは膵臓周囲に
浸潤しているものの、転移はみられない状態です。
U期 がんが胃や脾臓、結腸、大血管に浸潤しているが、転移はない段階です。
V期 近くのリンパ節に転移が認められる段階です。
W期 がんが、膵臓から離れた臓器に遠隔転移をしている段階です。
膵臓がんの症状
進行すると黄疸が現れる
 膵臓がんの症状は、がんの発生部位によって違いがみられます。
・膵臓がん
 膵臓がんは、腫瘍の発生部位によって膵頭部がん、膵体尾部がん、膵全体がんに分けられます。
膵頭部がんと膵体尾部がんでは、症状の現れ方が異なります。
 膵臓がん全般の症状は、腹部の痛みや重苦しさ、腰や背中の痛み、食欲の低下、吐気や嘔吐など、
ほかの消化疾患でもみられるものです。
 特に膵頭部がんでは、比較的早いうちに近くの胆管に広がるため、黄疸が現れます。黄疸に伴って
皮膚に激しいかゆみが生じ、尿の色が濃くなったり、便が白っぽく変色します。
 膵臓がんが進行すると、腹部に触れた時にしこりを感じるようになります。
また、大きくなって膵液や胆汁の分泌が阻害されると、消化・吸収に支障をきたして下痢が起こりやすくなり、
急激に体重が減少します。
・膵内分泌腫瘍
 症候性腫瘍の50〜70%は、インスリンが過剰分泌されるインスリノーマです。インスリンの作用で
血糖値が低下すると、激しい空腹感、発汗、脱力感、ふるえ、動悸といった自律神経症状や、
物が二重に見える複視、視力の低下、昏睡、けいれんなどの中枢神経症状が起こります。
 ガストリンという消化管ホルモンが過剰生産されるガストリノーマでは、胸やけや腹痛などの
過酸症状が現れたり、消化性潰瘍や食道炎が引き起こされます。
 無症候性潰瘍では、特徴的な症状はなく、腫瘍が大きくなると腹痛や黄疸が現れます。
膵臓がんの検査と診断
さまざまな検査を組み合わせる
 膵臓がんのスクリーニングでは、腹部超音波検査が有効です。膵内分泌腫瘍では、
問診も鑑別のポイントとなります。
・膵臓がん
 膵臓がんでは、腫瘍が膵管をふさぐために、流れを妨げられた膵液は血液中や尿中に排泄されます。
血液検査や尿検査を行うと、アミラーゼやりパーゼといった膵液に含まれる消化酵素が異常値を示します。
 インスリンの分泌状態を調べるブドウ糖負荷試験では、大半のケースで血糖値の変動に異常が
現れます。
 また、がんが進行すると、血液中にCA19−9やCEA、DUPAN−2といった腫瘍マーカーが増えてきます。
膵臓がんかどうかのスクリーニングには、腹部超音波検査が有効です。超音波検査は、
ほかの消化器の異常との鑑別に役立ちます。また、膵管の拡張の有無が確認できます。
 血液検査や尿検査、超音波検査で異常がみられるときは、CTやMRI、超音波内視鏡といった
検査が行われます。ERCPでは、膵管の閉塞状態などが明らかになります。
 黄疸が現れている場合は、PTCDやERBDが実施されます。さらに、手術の適応を判断するために、
腹部血管造影検査が行われることもあります。
・膵内分泌腫瘍
 インスリノーマでは絶食した際に起こる低血糖発作が、またガストリノーマでは再発を繰り返す
消化性潰瘍の存在が診断の目安になります。
 血液検査では、血液中のホルモン濃度を調べます。さらに、腫瘍の位置や大きさ、広がり具合を知るために
腹部超音波やCT、MRI、膵臓の血管造影検査などが行われます。
 無症候性腫瘍の場合は、膵臓がんとの鑑別が重要となります。
腹部超音波やCT、MRI、膵臓の血管造影検査のほか、ERCPなどによって腫瘍の状態を詳しく調べます。
膵臓がんの治療
膵臓の切除手術などが行われる
 治療法としては手術、放射線療法、化学療法があげられます。
基本となるのは、根治を目的とした手術です。
・膵臓がん
 膵臓がんは、自覚症状が現れにくいため、発見された時点でかなり進行していて、手術を行うことが
できないケースも多いようです。
 そこでたいていは、いくつかの方法を組み合わせて効果を高める集学的治療が選択されます。
手術には、三つの方法があります。膵頭部がんの場合には、膵頭部のほかに胃の一部、十二指腸、
胆管、胆のうを切除する膵頭十二指腸切除術が行われます。
膵体尾部がんに対しては、膵臓の体部と尾部、さらに脾臓を摘出する膵体尾部切除術などの
尾側膵切除術が適応されます。
また、がんが広範囲に及ぶときには、膵全摘術が選択されることもあります。膵全摘術の後には、
消化酵素の内服やインスリン注射などによって膵臓の分泌機能を補わなければいけません。
 膵臓の切除手術が行えないケースで、がんが十二指腸に広がっている場合には、
食物の消化・吸収能力を少しでも保持するために、胃と空腸をつなぐ対処療法的な手術が行われる
こともあります。
 放射線療法は、手術中にがんの取り残しを防ぐために用いられたり、がんの縮小や痛みの
コントロールを目的として行われます。膵臓の近くには多くの神経が分布しており、腫瘍が神経を圧迫したり、
神経に浸潤するようになると、激しい痛みが現れます。
 化学療法は、手術後の再発防止や、進行がんの治療のために行われるものです。
点滴や、動脈内に挿入したカテーテルなどを通じて抗がん剤を投与します。
 治療法の選択は病期(上の膵臓がんの病期分類)が目安になります。
T期では手術を主に、術中の放射線療法及び術後の化学療法が行われます。
U期やV期では、可能な限り手術を中心として、放射線療法や化学療法が組み合わされます。
W期では、化学療法が中心となります。
・膵内分泌腫瘍
 治療の主体は病巣を摘出する手術です。腫瘍が膵頭部にあるときには膵頭十二指腸切除術などが
行われ、膵臓の体部や尾部にみられる場合には、膵体尾部切除術などが選択されます。
 薬物療法としては、抗ホルモン剤の内服や静脈注射によって、過剰になっているホルモンの分泌や
作用を抑えて症状を和らげる方法と、抗がん剤を服用して腫瘍の縮小を図る治療法があります。
40歳を過ぎたら定期健診を受ける
 胆のうや胆管、膵臓は、周囲をほかの臓器に囲まれているために、がんを発見することは
なかなか困難です。また、胆のうがんや膵臓がんでは、初期に特徴的な症状が現れにくいことも、
発見が遅れる要因となります。そのため、切除を行っても、がんをとりきれなかった部分から
再発や転移が起こるケースが少なくありません。転移や再発の有無をチェックする必要があるので、
手術後は医師の指示に従って、定期的な検査を行うことが不可欠です。
 胆道がん、膵臓がんの早期発見・早期治療のためには、40歳を過ぎたら年に1回程度、
腹部超音波検査を受けたいものです。
特に胆石の保有者は、自覚症状がなくても、半年に1回くらいは検査を受けましょう。
 また、腹痛や下痢といった日常的によくみられる消化器症状でも、なかなか治らないときには、
受診することが大切です。

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