眼精疲労
ときには重い目の病気やからだの病気が隠れていることがあります。
原因を突き止め日常生活に工夫をすれば、かなり予防ができます。


ヘルスチェック
こんな症状に注意!
・目が痛みませんか?
・目が重いなどの違和感がありますか?
・目を開けているのがつらくありませんか?
・目が充血しますか?
・目が乾いた感じがしますか?
・涙がでませんか?
・物がぼやけて見えませんか?
・頭痛や肩こりがしませんか?
どんな病気ですか?
異常に強い目の疲れ
 日常、目が疲れることはよくあります。そのなかで、しばらく目を休めると回復するものを単なる「疲れ目」といい、
なかなか回復しない病的なものを「眼精疲労」といいます。ただその診断は難しく、目が痛い、ゴロゴロするなどの
症状があって、原因がよくわからない場合にも、眼精疲労という診断名がつきます。また、肩がこる、
頭痛がする、吐気がするなど、眼球以外の症状を伴うこともあります。
 眼精疲労は、本やテレビの見すぎ、目を酷使する仕事をしているなど、さまざまな理由で起こります。
情報化社会ではコンピューターのモニターを長時間見つづける、というよな仕事に従事している人が増え、
疲れ目を訴えて目薬を購入されくる、お客様が増えています。
 眼精疲労が近視などの視覚異常や緑内障などの眼病の基礎疾患になっているかどうかは、
まだよくわかっていません。
原因
からだの病気が原因のことも
 眼精疲労の原因は、次のように大別できます。
・目に問題がある場合
@近視、乱視、遠視などの屈折異常や合わない眼鏡をかけていて、焦点がずれていると疲れの原因に
なります。(屈折性眼精疲労)。
A老眼や頭部外傷などにより、目のピント合わせの調節力が減退していると目が疲れます。(調節性眼精疲労)。
B慢性結膜炎、斜視や緑内障など、目の疾患のために疲れることがあります。(症候性眼精疲労)。
C眼鏡の度の左右差が大きかったり、片目だけ水晶体を摘出していると疲れやすくなります。
  (不等像性眼精疲労)。
・目とは別の身体上の問題がある場合
@慢性的な疲労で、目の疲れやすくなります。
A糖尿病、高血圧症、低血圧症、肝臓疾患、腎臓疾患、胃腸疾患、ホルモン代謝の異常などの病気による
目の疲れもあります(全身疾患による眼精疲労)。
Bうつ病、神経症、ヒステリーなどの心因的な問題があるときにも、目が疲れます。(神経性眼精疲労)。
・外部からの強い刺激による場合
@テレビゲームやテレビ、本、モニターなどを長時間見続けることが多いと目が疲れます。
A部屋の照明がちらついたり、暗すぎる場合も、目の疲れの原因になります。
B直射日光など有害光線を浴びすぎたときも、目が疲れます。
 以上が主な原因ですが、結局、目の機能を超えて無理やり物を見ようとするときに眼精疲労は起こる、
といえます。
症状
眼球の痛みが主訴
 お客様の訴えで一番多いのは目の痛みです。その表現も鈍痛がする、ズキズキする、疼く、拍動に従って
痛むなど多彩です。痛む箇所も、目の奥、眉間、眼球全体、側頭部、後頭部などさまざまです。
 また、充血、涙が止まらない、目が重たい、目が熱い、目が乾く、異物が入ったようだ、といった眼球症状も
よくあります。なかには物が二重に見える、ぼやける、焦点が合いにくい、視野が狭くなったなどの
視覚症状を訴える人もいます。慢性化すると、肩こり、めまい、不眠、嘔吐、イライラなどの
全身症状を伴うこともあります。
検査
まず眼科的な検査が行われる
 目の検査が基本になります。屈折および調節検査、眼位、眼球運動、眼圧などの検査のほかに、
前眼部(角膜、虹彩、前房、水晶体)の異常の有無や涙液分泌の検査なども行われます。
 目にこれといった異常がない場合は、全身的疾患かどうかを診るために、循環器や消化器の検査、
ときにはCT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴撮影法)を使った画像診断が必要なこともあります。
ドライアイ
新タイプの文明病
 文字どおり目が乾く病気で、新たな眼精疲労の原因として、最近、クローズアップされてきました。
夜更かしする、テレビや本を長時間見る、パソコンやテレビゲームをすることが増えたなど、
ライフスタイルが原因となる事が多いため、一種の文明病としても注目されています。
 ではなぜ目は乾くと疲れるのでしょうか?目の乾燥を防いでいるのは涙です。涙は血管のない角膜に酸素と
栄養を供給しています。それが少なくなると、角膜は酸素不足、栄養不足で悲鳴をあげます。
涙には外界から侵入してくる細菌やウイルスを殺菌する作用、大気中のほこりなどを洗い流す作用もあります。
また角膜表面の凸凹に入り込んで、光が乱反射しないようにする働きもあります。
 こういった涙の働きが低下すると、目は疲れやすくなり、ひどくなると眼病を誘発しかねません。
・原因
 ドライアイの原因としては次の三つが考えられます。
@資料を読んだり、コンピューター作業などを長時間続けると、目が乾くことがよくあります。
A住居や仕事をする場所の湿度が低いと、目が乾きやすくなります。
B涙の分泌量が減少しているためにドライアイになるケースもあります。
そのほか特殊なケースとしてシェーグレン症状群にかかっている場合があります。これは膠原病の一種で、
ドライアイ、口腔内の乾燥、関節炎などを合併します。東京都では難病に指定されており、医療費は免除
されています。日本全体で約2万人の患者がいると推定されています。
・患者の90%は病気の自覚なし
 ある大学病院の眼科の調査で、疲れ目の人の大半はドライアイであり、しかもその90%の人が自分が
ドライアイであることを知らなかった、という報告がありました。
 ドライアイの代表的な検査はシルマーテストといって、幅5mmのろ過紙を目の端につけ5分間にどの程度
ぬれたかで判定します。10mm以上が正常です。10mm以下は異常で、涙液分泌減少でありドライアイの
可能性が高く、10mm以上でも、先に述べた原因@Aによってドライアイになります。
 自宅でできる簡単なチェック法もあります。4〜5m先の無地の壁を見て、1分間に何回まばたきするか、
ほかの人にカウントしてもらいます。通常は20回程度ですが、ドライアイの疑いのある人は40回以上行います。
ドライアイの予防法としては、テレビやコンピューターのモニターを見て目が疲れたら一定間隔で目を休ませる、
涙の蒸発を抑える目的の保護用鏡(上部とサイドに肌に密着するカバーがついている)をかける、涙に近い
成分の目薬をさす、部屋の湿度を60〜85%に保つといった方法が考えられます。
治療
原因を突き止め除去する
 眼精疲労だと思ったら眼科で検査をしてもらい、目に隠れた疾患がないかチェックするのが第一です。
検査の結果、慢性結膜炎、緑内障、糖尿病性網膜症などにより眼球内の組織が侵されているなら、
その治療をしなければなりません。全身疾患の影響で視力が落ちている場合も同様です。心身症や心因性の
疾患により眼精疲労がおこっている場合は、精神安定剤などを処方されることもあります。
 眼鏡が合っていない、近視、乱視、遠視、老眼で焦点が正しく結ばれていないために目が疲れるなど、
原因がはっきりしているなら眼鏡を調節するか、眼鏡をつくります。一般的に眼鏡をかけたほうがよいかどうかは、
眼科で医学的な検査をして、その結果に基づき適正なレンズを選びます。
 次にこれを眼鏡の枠にはめて、装用テストをして微調整してから眼鏡の度数を最終的に決定します。
このような適正な眼鏡をかけると、多くの場合、眼精疲労は治ります。遠視、乱視の場合は、軽度でも眼鏡を
かけなければならないことが多いのに対し、近視は、軽度の時は眼鏡を使用しなくてもよいことがあります。
不便であったり疲れやすいという症状があれば、眼鏡をかけます。老眼は近くのものを見るのに不便になったら
かけます。ただし、いろいろな生活習慣病が起きやすい年齢なので、眼科で精密検査を受けた方がよいでしょう。
 有害光線、仕事による酷使など、目に悪い刺激が加わって眼精疲労が起こっている場合は、それを除去する
努力をしなければいけません。
予防
時々目を休ませる
 テレビとコンピューターは眼精疲労の2大要因です。二つとも台の上に載せ、目と同じ高さか、少し仰ぎ見る
形が多いようですが、これでは目を大きく見開く必要があり、疲れやすくなります。テレビは床か低い台に置き、
コンピューターのディスプレーは低い位置から顔面に向かって斜めに設置できる落とし込みのある
パソコンデスクにすれば、視線が自然に近い形になり、疲れにくくなります。
 資料を見ながらワープロやパソコンを打つときは、ディスプレー、キーボード、資料を目から等しい距離に
配置すれば、視点を変えるたびにピントを合わせる労力が減り、目が疲れにくくなります。
 さらに窓から光線の入り具合、あるいは照明の当たり具合で、3方向の明るさが違う場合も、目が疲れるもとです。
均等の明るさになるようデスクの位置を変えたり、照明の工夫をしましょう。
 目が疲れたら早い段階で疲れをとるようにします。コンピューターの場合は50分ごとに1回10分ほど目を
休ませます。その際、目を閉じたり遠くを見たりして、視点を変えると疲れにくくなります。
 なお、テレビゲームを毎日やるなら、1日30分までにします。1時間も続けたいなら、1日おきにしましょう。
 眼球体操も有効です。目がしら、目尻、こめかみ、首筋などをマッサージしたり、指圧したりするのもいいでしょう。
その場合、必ず正しい方法で行い、眼球を強く押さえすぎないようにしてください。
温かいタオルを目に載せるのも、目の血行を促進して、気持ちがすっきりします。冷たいタオルは鎮静作用が
あるので、5分暖めたら1分冷やすのを2〜3回繰り返せばさらに効果的です。
 眼精疲労の最大の予防法は睡眠と栄養を十分とることです。深夜までテレビを見たりせず、”休眼日”を
週に2、3回は設けましょう。栄養面では、目によいビタミンAやβーカロチン、ビタミンを多く含む食品を
意識的にとるようにします。
 こういったことの積み重ねで、眼精疲労は十分に予防ができます。

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