アレルギー性鼻炎

くしゃみ、鼻水、鼻づまりがアレルギー性鼻炎の3大症状です。
ハウスダストや精神的ストレスが、発症の一因になります。


ヘルスチェック
こんな症状に注意!
・くしゃみがたて続けに何回も出ませんか?
・粘り気のない水のような鼻水が大量に出ますか?
・鼻がつまっていますか?
・ひどい鼻づまりで、においが感じられませんか?
・いつも鼻がむずむずしていますか?
・目の充血やかゆみがありますか?

どんな病気ですか?
アレルギー反応によって起こる鼻炎
 アレルギー性鼻炎をはじめ、アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそくといったアレルギー性疾患の
患者数の増加は、深刻な社会問題となっています。
 アレルギー性疾患は、免疫という、体内に侵入した異物を排除するシステムが過剰に反応し、
からだに障害を与えるように発症する病気の総称です。
 アレルギー性鼻炎は、異物が鼻の粘膜を刺激して症状が現れるケースです。患者数は人口の
10〜20%にのぼるといわれ、地域によっては30%を超えるところもあるとされています。
 アレルギー性疾患の患者数が年々増加している理由として、アレルギー反応を誘発する異物が
増えていること、精神的・肉体的ストレスが増えてからだが免疫の過剰反応を起こしやすくなっている
ことがあります。
 アレルギー性疾患が現代病といわれているのは、現代社会と現代人が抱えるさまざまな問題を反映
しているためといえます。

原因
大気汚染やストレスが引き金に
 体内に侵入した異物(抗原)のなかでアレルギーを引き起こすものをアレルゲンとよんでいます。
アレルギー性鼻炎のアレルゲンとしては、まずハウスダストがあげられます。
ハウスダストは室内のちりやほこりのことで、ダニの死骸やフン、人間の垢やふけ、毛髪、ペットの毛、
衣服、寝具、じゅうたんの繊維くず、食物のくずなどが含まれています。
ダニやカビ、細菌、花粉などもアレルギー性鼻炎のアレルゲンとなります。
 ほこりとなって舞い上がったアレルゲンを吸い込むと、鼻粘膜に付着して抗原物質が溶け出します。
からだは抗原物質の特徴を記憶して、合致するタンパク質の免疫グロブリンE(IgE)抗体をつくります。
IgE抗体は、鼻粘膜中の白血球の一種の肥満細胞(マスト細胞)などに付着します。
再び同じアレルゲンが侵入して、溶け出した抗原物質がIgE抗体と結合すると反応が起こり、
肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。
ヒスタミンは鼻粘膜の末梢神経や血管を刺激するので、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった
特有の症状があらわれます。
 アレルギー性鼻炎の原因物質であるハウスダストや花粉は、人体にとってさほど有害なものではありません。
それでも過剰な防御反応が起こるのは、IgE抗体をつくりやすい体質のためです。
 体質に加えて環境要因も影響します。
アレルギー性体質の人が日常的にアレルゲンに接していると、アレルギー性疾患を発症する
確率が高くなります。
 また、ストレスの関与も見逃せません。
精神的・肉体的ストレスによって抗体ができやすくなったり、鼻粘膜が敏感になったりします。
 さらに、ディーゼル車の排気ガスに含まれるディーゼル排気微粒子と、アレルギー性疾患の
発症メカニズムについては、まだ明らかにされていない点も多く、現在では、体質的な要素と
環境的な要素が複雑にからみあっていると考えられています。

分類
通年性と季節性に分類
 アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎と季節性アレルギー性鼻炎に分類されます。
通年性アレルギー性鼻炎のアレルゲンは、ハウスダスト、ダニ、カビ、細菌など、
常に身の回りに存在するものなので、症状は季節に関係なく現れます。
 一方、スギ、ブタクサ、イネ科などの花粉のように、アレルゲンの発症がある季節に
限定されているケースでは、症状が現れる期間も限られます。
近年、患者数が急増している花粉症は、季節性アレルギー性鼻炎の典型例です。

症状
くしゃみ、鼻水、鼻づまり
 アレルギー性鼻炎の3大症状は、くしゃみ、鼻水(鼻汁)、鼻づまり(鼻閉)です。
アレルギー性鼻炎は「即時型アレルギー」といわれるタイプに属し、アレルゲンを吸い込むと
数分から30分で症状が現れます。
 くしゃみはたてつづけに何回も出るのが特徴です。鼻の中がむずむずしたり、
刺激を感じる人もいます。鼻汁は水のように透明で、粘り気がありません。
 鼻閉は、多くの場合、アレルゲンを吸い込んだ直後に現れる症状ですが、
その後も数時間続いたり、いったん治まってから数時間後に再発するケースもあります。
鼻閉によって、嗅覚障害や、口呼吸が原因ののどの痛みが起こることも少なくありません。
 症状は放置すると重症化しやすい傾向があるので注意が必要です。
また、慢性化すると鼻閉が症状の中心になります。

検査と診断
鼻アレルギー検査で診断を確定
 アレルギー性鼻炎の診断は、症状がアレルギー性かどうか、アレルゲンは何かの2点に
基づいて行われます。
 問診では、症状や経過のほか、症状は季節性のものか、季節にかかわらず出ているか、
アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくがあるか、両親やきょうだいにアレルギー性疾患の既往者が
いるかなどについても確認します。
 検査では、まず鼻鏡や後鼻鏡で鼻粘膜の状態を調べます。通年性アレルギー性鼻炎を起こすと、
鼻粘膜が腫れて青白くなり、水様性の鼻汁がたまってきます。鼻汁中好酸球検査では、
薬包紙で鼻をかみ、鼻汁をスライドグラスに塗布して顕微鏡で観察します。アレルギー性の場合には、
好酸球という白血球が多くみられます。
 続いて、アレルゲンを突き止めるアレルゲンテストが実施されます。皮膚テストには、
アレルゲン溶液を注射する皮内注射、腕の皮膚につくったひっかき傷に溶液をたらすスクラッチ法、
皮膚に溶液をたらした上から軽く針を刺すプリック法の3種類があります。どの方法でも、15〜20分後に
生じる赤い腫れの大きさを測定します。皮膚テストの長所は、一度に多種類のアレルゲンについて
調べることができて、結果がすぐにわかる点です。
ただ、検査用アレルゲンの管理の問題があるので、アレルギー性疾患を専門に扱う医療機関だけで
行われています。
 皮膚テストの代わりに、血清特異的IgE検査が実施されることもあります。採血して得られた血清に、
アレルゲンを含ませた濾紙を反応させる検査で、採血は一般の医療機関で行い、アレルゲンの判定は
専門機関に依頼する方法がとられています。
 鼻粘膜誘発テストではアレルゲンを直接、鼻粘膜に接触させて、5分後に症状の有無や現れ方を
確認します。副鼻腔への影響を調べる鼻副鼻腔X線検査、血液中の好酸球の量をみる血液検査、
血清中のIgE抗体の総量を確認する血清総IgE検査などが補助的に行われることもあります。
鼻汁中好酸球検査、皮膚テストまたは特異的IgE検査、鼻粘膜誘発テストの3検査中、2種類が
陽性であれば、アレルギー性鼻炎と診断されます。
治療
最も効果が確実な薬物療法が中心
 アレルギー性鼻炎の治療の基本は、生活環境からアレルゲンを取り除くことです。
症状をコントロールするためには、薬物療法や、アレルゲンに対するからだの抵抗力を高めて
症状を抑える減感作(げんかんさ)療法を行います。
・薬物療法
 薬物療法で広く使用されている薬は、化学伝達物質遊離抑制剤や新しい抗ヒスタミン薬などの
抗アレルギー薬とステロイド薬です。
 化学伝達物質遊離抑制剤は、IgE抗体の生産を抑制したり、鼻粘膜の神経や血管に作用する
化学伝達物質の放出を抑えるものです。すでに現れている症状に対する即効性は少ないため、
予防的に使用されます。
 通年性アレルギー性鼻炎の場合は毎日規則的に服用し、季節性の場合には花粉が飛散する
シーズンの2〜4週間前から使用します。
 抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンと、神経や血管のヒスタミン受容体との結合をブロックすることで
症状を抑える、即効性の高い薬です。副作用としては、眠気や全身倦怠感などがあります。
 ステロイド薬は、アレルギー反応による炎症に対して強力な鎮静効果を発揮します。
抗アレルギー薬があまり効かないときに使用しますが、経口薬の場合、消化性潰瘍や感染症、
不眠やうつ状態などさまざまな副作用を招く可能性もあります。アレルギー性鼻炎の場合、
1回の使用量が少なくてすむことから、鼻の中に噴霧するタイプが使われるのが一般的です。
・外科療法
 鼻閉が重症で、薬物療法では改善されない場合に選択される治療法です。
腫れて厚くなった鼻粘膜を切除したり収縮させて、アレルギー反応が起こる部分を減らして
症状を抑えます。
 メスで鼻粘膜を切り取る下鼻甲介粘膜切除術、レーザー光線を照射するレーザー手術、
高周波の電気で凝固する電気凝固法、化学薬品で鼻粘膜を収縮させる化学焼灼法などがあります。
レーザー手術や電気凝固法は局所麻酔ですみ、入院の必要もありません。患者の身体的な
負担が少ないので、広く行われるようになっています。
 外科療法ではありませんが、鼻粘膜の血行を促して腫れを改善する星状神経節ブロック療法が
効果を上げる場合もあります。
・減感作療法
 減感作療法は、濃度の薄いアレルゲンのエキスを少量注射し、次第に濃度と量を増やしながら、
アレルゲンに対するからだの抵抗力を高めて症状を抑える方法です。
薬物療法の場合は、治療を中断すると症状が再発することが多いのですが、減感作療法を行うと
治療をやめた後も効果が長く続きます。
 減感作療法によって症状が治まるメカニズムは、詳しく解明されていませんが、
アレルゲンとIgE抗体の反応を抑制する、血中のIgE抗体を減らす、化学伝達物質を遊離しにくくする
といった作用の結果と考えられています。
 症状がまったく現れなくなったという人から薬が効きやすくなったという人まで、
治療効果はさまざまですが、ハウスダストが原因の通年性アレルギー性鼻炎に対しては、
70〜80%という高い有効率が出ています。
 季節性アレルギー性鼻炎に対する有効率は約20%ですが、アレルゲンエキスの改良が
進んでいるので、今後、治療効果が上がることが期待できます。
 ただし、最初のうちは週に1〜2回注射をしなければならず、その後も定期的な通院を3年以上
続ける必要があります。
薬局で購入できるアレルギー性鼻炎の治療効果と副作用
効   果 副  作  用
抗ヒスタミン薬 血管を拡張したり、組織に炎症を起こしたりする
ヒスタミンという化学物質の作用を抑える。
くしゃみ、鼻汁に即効性がある。
眠気や倦怠感をもよおすが、以前に比べて
副作用は弱くなっている。緑内障や
前立腺肥大の人は、使用できない。
点鼻用局所
血管収縮薬
(点鼻薬)
血管を収縮させて鼻粘膜の炎症を抑え、
鼻づまりに効果がある。
頻繁に使用すると効果が低下しやすく、
鼻粘膜が逆に腫れることがあります。
過敏症や血圧上昇がみられることもある。
漢方薬 小青竜湯、葛根湯などが有効。
アレルギーに特異的ではないが、
自律神経のバランスを整え、症状を穏やかに
やわらげる効果があります。
眠たくなりにくいのも特徴です。
副作用が少ないので、ほかの薬と
併用して補助的に使うとより効果的で、
一般的な使い方です。

日常生活の注意
 アレルギー性鼻炎の治療の基本は、アレルゲンを突きとめて生活環境から取り除くことです。
ハウスダストを排除するには、こまめに掃除をすることが一番です。さらに、ダニが発生しやすい
場所を減らす事が重要なポイントです。
 じゅうたんはダニの発生源になりやすいので、床はフローリングが理想的です。
毎日、掃除機を丁寧にかけてほこりをためないようにします。
ベットの下や家具の裏側も、可能な限り掃除しましょう。
家具の上やカーテンレール、窓枠、電灯の傘などは、よく絞ったぬれ雑巾でふけば
ほこりを立てずにきれいにできます。
 ダニは湿気の多い場所を好むので、頻繁に窓を開けて風通しをよくします。
換気扇を備えつけるのもよいでしょう。
殺虫剤を使ってダニを駆除しても、死骸がハウスダストになるので、使用後はかならず
丁寧に掃除機をかけて死骸をとります。
布団や毛布は頻繁に干して、ほこりをたたいてからとり込み、掃除機をかけるようにします。
 循環式の空気清浄機の利用も効果的です。ただし、空気清浄機や冷暖房機のフィルターは
ダニの温床となるので、定期的に水洗いをします。(1ヶ月に1回)
 アレルゲンの排除と並んで、からだを強化することもアレルギーの改善には必要です。
皮膚を刺激したり、適度な運動を続けることが、症状の軽減に役立ちます。
例えば、乾布摩擦や冷水摩擦で皮膚を鍛え、刺激すると、鼻粘膜の過敏性を低下させることができます。
適度な運動には、自律神経のバランスを回復させて症状を和らげる効果があります。
また、血行が良くなると鼻閉が改善されます。

まとめ
生活の改善が発症や悪化を防ぐ
 アレルギー性鼻炎の発症や、症状の現れ方nには、生活習慣が大きく影響します。
また、精神的・肉体的ストレスとかのかかわりも指摘されています。
 ストレスを上手にコントロールするには、十分な睡眠、栄養バランスのとれた食事、
適度な運動を習慣づけるようにしましょう。
 薬物療法によって症状が治まると、生活管理を怠りがちになるケースが多いようです。
治療の効果を上げて、持続させるには、規則正しい生活を送ることが大切です。
また、慢性化でお悩みの方は、最初に記したように過剰な反応をしないように体質改善を
するのが一番ベストだと思います。最近の研究結果では、アレルギー性鼻炎の方の多くは、
カルシウム不足も一つの要因だとされています。
体内のカルシウムを排出させる糖分の過剰摂取を避け、通常の人の倍ほどの
カルシウムの補給が必要です。(1日1000mg〜1200mg)
こういった食生活の改善で体質改善ができます。

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